2008年09月14日

『赤い風船』『白い馬』 & 『ホウ・シャオシェンのレッドバルーン』

赤い風船.jpg 7月に観たんですが・・、今頃書いてますたらーっ(汗)
50年ぶりの東京でのリバイバル上映がヒットし、全国拡大公開になったそうなので、やはり書いておこうと思いまして・・。
都内近郊エリアでは、渋谷シネ・アミューズ(9/6〜19日まで)と横浜ムービル(9/13〜19)、千葉シネマイクスピアリ(9/20〜10/3)にて上映。他全国順次公開。

『赤い風船』デジタル・リマスター版
(原題:Ballon rouge)
1956年/フランス/(36分)  監督・脚本 : アルベール・ラモリス
出演 : パスカル・ラモリス

 古典の名作と言うとつい「恋愛もの?」と思いがちだけれど、子供が主人公のこんな愛すべき映画があったとは! '50年代パリの下町を舞台に、幼い男の子パスカルは、街灯に結ばれた大きくてピカピカの赤い風船を見つけ、仲良しになる・・。1956年のカンヌ国際映画祭でパルム・ドール(短編)を受賞した作品。

 パリの街を一望に見渡せる高台の階段、石畳の道を走るレトロな路面電車、怖い先生のいる学校、そして小さなパン屋さん・・そしてなんといっても男の子の可愛らしさにホダサレてしまうし、まるで感情があるかのように男の子と戯れる風船が微笑ましく、ほとんど台詞ナシでありながら、時にユーモアを交えながら描かれる出来事すべてが愛おしく思えてくる。
 ラスト、青空に放たれる沢山のカラフルな風船が目に焼き付くメルヘンな締めくくりは、後から色々調べたら深い意味があるとのこと。この作品を愛した街の人々や世界中の映像作家に今でも影響を与え続けているこの名作を劇場で鑑賞出来て良かったと思った。
パリ、メニルモンタンの路地裏めぐり
インスパイアされたクリエーターたち

白い馬.jpg 『白い馬』デジタル・リマスター版
(原題:Crin Blanc) 1953年/フランス/40分/モノクロ
監督・脚本:アルベール・ラモリス
「赤い風船」と併映されたこちらも鑑賞。 南フランスの湿地帯。野生の馬を率いるリーダー"白いたてがみ"は、自分達を拘束しようとする人間たちに必死に抵抗するが、フォルコ少年だけは白い馬と心を通わせ絆を深めていくが・・。そして予想外のラストが痛い。こちらも深いところにメッセージがあったようだが、私には読み取れず恥ずかしいのだけど。

「赤い風船」「白い馬」公式サイト


レッドバルーン.jpg 『ホウ・シャオシェンのレッド・バルーン』 
(原題:Le voyage du ballon rouge)
2007年/フランス
監督・脚本:侯孝賢(ホウ・シャオシェン)
出演:ジュリエット・ビノシュ/イポリット・ジラルド

 こちらはその名作『赤い風船』にオマージュを捧げ、フランスに渡ったホウ監督がメガホンをとった作品。
 現在のパリ。 シングルマザーのスザンヌは一人で7歳の男の子シモンを育てているが、仕事や家、階下の住人など頭を悩ますことばかりでイライラと情緒不安定。 息子のベビー・シッターを台湾の留学生ソンに任せる事にするが・・。
 
 狭いアパートの中での人間模様を、カメラは優しく静かにひたすら見つめていく・・という手法は、やはりホウ印! フランスでフランスの俳優を使って撮っていても、やっぱりカラーはそのままなのが驚きだ!! 赤い風船はここでは男の子に地下鉄の入り口で発見されるも、傍観者として窓の外からじっと見つめる役割。ラモリス監督の「赤い風船」をリスペクトしつつ、発信するものはまた違うようだ。
タグ:侯孝賢
posted by マダムS at 09:49| Comment(4) | ヨーロッパクラシック(1946〜79) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ボンジュール、マダム。
お久しぶりです。
「赤い風船」と「緑のタヌキ」と思わず言ってしまいそうになりますが(失礼)、「赤い風船」と「白い馬」、私は先日ようやく渋谷で観てきました。子供や動物が主人公のハリウッド映画は勘弁してほしいのですが、ヨーロッパ映画には、素直に「ああ、可愛い」と見とれる作品がありますね。「赤い風船」なんて、マダムご指摘のように隅から隅まで愛おしいです。どこか仲間から外れたような主人公と空飛ぶ仲間、という点は、ちょっと、ケン・ローチの「ケス」を連想しました。
「白い馬」は、神話的でしたね。海に消えていくラストが印象的でしたが、なんとなく、白い馬に羽根が生えてペガサスになるような気がしました。こちらは、ギターを使った音楽もよかったです。

最近は、ヨーロッパ好きには厳しい公開状況ですが、「わが教え子、ヒトラー」は、不謹慎な笑い満載で面白かったです。
では。
Posted by けんけん125 at 2008年09月20日 14:23
★けんけん125さん
ボンジュール〜♪ お久しぶりです^^
それにしても、ウワハハハ! わかりますわかります!! 「赤い」と言われると、反射的に「緑の」と続けたくなるほど私達ってすり込まれているんですよね〜

劇場でご覧になれて良かったですね。
そうですか、ケン・ローチの「ケス」は未見なのでちょっと調べてみますね。 
「白い馬」は仰るように神話的でしたね。
確かに海よりも、空へ飛んだ方が良かったかも。。ちょっと哀しかったです。

ヨーロッパ作品。。
本当に最近危機的状況ですねぇ・・ 劇場でなかなか観れないので、家で古いのコツコツ観るようにしています。
「わが教え子〜」面白かったですか!? うっ ”あの”ウルリッヒ・ミューエですね!? 結構前に予告編を観てかなり気になっていたんですが、いつのまにか公開されていたんですねー!! きゃ〜観た〜いで〜す!
今日偶然にも「ヒトラーの贋札」をやっと借りてきたところなんですぅ〜 こうなったらヒトラーづくしで今月頑張ろうかしら。 
Posted by マダムS at 2008年09月20日 23:07
マダム〜〜〜♪
やっとこさ観に行けました〜〜〜!
銀座では7月から公開でしたものね。
観たいのをぐっと我慢して先日イクスピアリで観て来ましたですヨ。
実はこの作品たち、ずっと観たいと思いつつも未見だったんです〜
なので、この機会にスクリーンで観れて大感激でした!
題は「赤い風船」「白い馬」でしたが、こちらでは順序が逆でした。
マダムがご覧になった時はどうでしたか?

どちらも子供が持つ純粋な優しい心を感じましたね〜・・・
「赤い風船」の方は特に何処のシーンを切り取っても絵になると言うか、絵本を見ているような気もしました〜♪
そうそう、以前から思っていたのですけど、「白い馬」の少年。
竹宮恵子の描く少年の絵を思い出してしまうんですが。うふふ
何となく、そんな気がしません〜?笑
Posted by Puff at 2008年09月29日 17:57
★Puffさん
おお〜 ご覧になりましたか!!
地元でじっとお待ちになった甲斐がありましたねぇ♪
上映は「白い馬」の方が先だったの?
銀座では「赤い風船」が先だったと思います(あら・・もう記憶が・・)

そうなんですよね〜 いわさきちひろさんが赤い風船を題材にした絵を描いていらっしゃいますけど、子供の純粋な心をそのまま静かに見つめたようなところがいいですよね。作り手の優しさも伝わってくるようでしたねん〜
ああ・・わかりますわかります! あの少年の雰囲気は竹宮さんの世界ですね(^^) 少女漫画の世界だー! 笑 
特にあの垂れた前髪が白い馬と同じで「僕たち同じだね」って仲良しになったのではと?思ってました(爆)
Posted by マダムS at 2008年09月30日 08:35
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