2006年01月16日

『ロゼッタ』

rosetta.jpg
寒いし遠いしで恵比寿まで観に行けない『ある子供』
その同じ監督のダルデンヌ兄弟が撮ってカンヌ映画祭のパルムドールを受賞した作品。
先日観て感動したフランス映画『灯台守の恋』の紹介の中で、よそ者の灯台守に片思いするムチムチの明るいギャルを演じていたエミリー・デュケンヌがこの『ロゼッタ』でデビュー作ながらいきなり主演女優賞を受賞したと紹介されており、「”あの少女”がこんなに成長して嬉しい」様の親心コメントも数多く目にしていたので、興味を持って鑑賞しました。

1999年 ベルギー
監督 リュック・ダルデンヌ / ジャン・ピエール・ダルデンヌ
出演 エミリー・デュケンヌ / ファブリツィオ・ロンギオーヌ

あらすじ
アル中の母親と一緒にトレーラー・ハウスで暮らすロゼッタ・・
まだほんの10代の半ば位に見える子供子供した女の子だが、やっと職を得たワッフルの製造工場でもすぐにクビにされ、食べて行くのもままならない様子。母親を更正施設に入院させたくてもなかなか上手く行かない。 初めて出来たボーイフレンドとぎこちなく一緒に食事をするが、彼女の頭の中は毎日をどう生活するかで一杯・・彼に好意を持ちながらも裏切って職を横取りするが・・・・

かんそう
最初からカメラはひたすらロゼッタを追い続ける。
小麦粉を一緒に機械に回しいれ、泥酔した母親を引き摺ってベットに寝かせ、腹痛をドライヤーで暖めて治し・・。 毎日毎日、湖に魚を取る為に仕掛けた罠を観に行く・・最初はずっとこの調子なのか?と少し訝りながら観ているがそのうちいつのまにかロゼッタの窮状を一緒に体験しているような気分になってくる。 水道を止められ、物凄い勢いで管理人にくってかかるロゼッタ。普通親がやる事だろう?と悔しくなる。ロクな食事を摂ってない様子に心痛め、ワッフルの売店から掠め取ってきた卵を料理して食べる場面でほっとしたりしている自分。 ボーイフレンドが溺れた時、「自分が彼の後釜に座れるかも」という気持ちがよぎり、一瞬助けるのを躊躇する彼女・・すべてが生活の為というのが悲しい・・あまりに悲しい・・。
以前イギリス映画『Sweet Sixteen』で観た十代の男の子達がそうであったように・・親の失業がもたらす子供の窮状には心が痛まずにはいられない。 まだまだ手厚く保護されるべき子供達が親の生活力のなさと怠惰な生活に翻弄されるのは観ていて本当に辛いものがある。その原因が国の政策に拠るものなのか、無知な私には良くわからないが、無駄な説明を廃し、眉を寄せる子供の顔にじっと見据えるカメラが物語るものは大きい。
最後に彼の前で堰を切ったように流す涙が、その後の展開に希望が見えて救われるのでした。

ダルデンヌ兄弟 なかなかやるね・・
他の作品もやっぱり観なければ・・・

posted by マダムS at 11:31| Comment(16) | TrackBack(4) | その他のヨーロッパ映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ロゼッタ『灯台守の恋』に出演していたんですか!
知りませんでした^^;
今、HPを見てきたんですけども、大人になりましたねぇ。
しかもむちゃくちゃ明るいギャルの役だなんてw
イギリスでは階級社会が根強く、
他のヨーロッパも失業問題が深刻で、
向こうは貧困層から抜け出すことが難しいようですね。
「SWEETSIXTEEN」「ロゼッタ」の痛みは、
日本でもないことはないと思うのですが、
やはり身近ではないためかショッキングでした。
TBコメントありがとうございました!
Posted by 現象 at 2006年01月16日 13:56
>現象さん
TB&コメント返しありがとう御座います♪
そうなんですよ〜ロゼッタちゃん! 「灯台守」では 相変わらずムチムチですが、実に健康的な娘さんに成長しているのが嬉しいです。(すっかり私めは隣のおばさん化してます)
やはり色んな映画で描かれているようにイギリスはじめ欧州の失業問題は深刻なんですね・・「高慢と偏見」のケタはずれのお金持ちなんて見ちゃうと貧富の差を余計感じます(汗)
Posted by マダムS at 2006年01月16日 21:10
こんばんは〜
数年前に「ロゼッタ」を観たのですけど、必死に労働にしがみつくロゼッタにせつなくなりましたね。一足の靴をたいせつにする気持ち、少しは見習わなければとおもいました。
にしてもダルデンヌ兄弟 といえば「息子のまなざし」もそうですね。これもきりきりとした描写のラストに温かいものを感じる作品でした。わたしにとってはダルテンヌ作品は記憶にしっかり残るものが多いみたいです。
「ある子供」!ぜひ、観たいです。
Posted by いら at 2006年01月16日 21:29
「ロゼッタ」の映画は知っていたんですけど
未見でしたので見てみようかなと思いました(^^)
「ある子供」は私の地域での上映は
もう少し先になりますので、予習の意味でも
これは必見ですね。
ところで、リンクを貼らせて頂いてもよろしいでしょうか?
Posted by mei at 2006年01月16日 23:47
>いらさん
おはようございま〜す♪
そうなんです・・子を持つ親として観ていて切なかったですね。
『息子のまなざし』もWOWでタイトル何回も見かけていたのに未だ観れていないんですよ〜泣。今回すっかり彼らの手法に魅せられてしまったので、レンタルしてこようと思います。うくく・・恵比寿も行けるかなっ・・寒;

>meiさん
いらっしゃ〜い♪
「ロゼッタ」是非「ある子供」の予習でご覧になってみてね^^
リンクの件、了解です♪ こちらからも貼らせて頂きましたよ^^どうぞよろしくお願いします。
Posted by マダムS at 2006年01月17日 07:48
マダム!「ある子供」2/3迄上映しているようですわ!観に行こうかと思っております!寒いなんて言わないで恵比寿にgo!!ですわよ!
「ロゼッタ」はわたしも観たいな。「灯台守の恋」の彼女キュートでしたよね。
Posted by margot2005 at 2006年01月17日 20:46
私も『ロゼッタ』は数年前にビデオで観て、ベルギーワッフルと、ムちっとしたロゼッタと長靴ぐらいしか記憶に残ってなかったんですが(^^;マダムの感想を読んで思い出しました。。。
ラストに初めて見せる彼女の涙。(・・。

『灯台守の恋』と『ある子供』もこれからの鑑賞予定に入れているので楽しみデス。
ダルデンヌ兄弟の作品というと、少し前に観た『息子のまなざし』が、未だ印象深いです。 本当に余計なものを全て剥ぎ取った心情表現に、観ているコッチが待って待って待たされる作品で、ラストにたどり着いた時には、心の中の何かがブワッと音をたてたような気が・・・(^^;

そうそう、そして『ある子供』の主演のジェレミー・レニエは、オゾン監督の『クリミナル・ラヴァーズ』で気になる存在になり、ダルデンヌ兄弟の初作品『イゴールの約束』でも主演してるってことで、イゴールを観たかったこと想い出しました。大変だ!観なくちゃばっかりデス。(^^;
Posted by ラクサナ at 2006年01月17日 23:59
>margot2005さん
うーんいいなぁ〜都内在住の強みですねっ気軽に都心に出れるというのは・・
そうなのよ〜「灯台守」のあの彼女です♪
ロゼッタちゃんはレンタルで探してみてね〜〜

>ラクサナさん
やはりちゃんと観ていらっしゃいましたか!
「息子のまなざし」も観よう観ようと思ってまだです。そういえばそれで父親役だった俳優さんがロゼッタでも出ているかも。
ジェレミー・レニエですか?メモメモ・・
うーん!私も今度はこの監督の過去作品あさりの旅に出るかも(笑)
Posted by マダムS at 2006年01月18日 06:39
『息子のまなざし』のメガネのお父さん、オリヴィエ・グルメは『ロゼッタ』『イゴールの約束』『ある子供』にも出てるようですね。
マダム、ジェレミー・レニエいいですよ!
『ジェヴォーダンの獣』では若き公爵役で、大人になったな〜っと!
とにかくコチラでは『ある子供』が、もうじき公開終わってしまうんで焦っておりますが・・。(^^;
ひっ!ダルデンヌ監督作の過去あさりの旅!睡眠は充分とって望まなければなりませんね!^^
Posted by ラクサナ at 2006年01月18日 10:04
>ラクサナさん
あ、やっぱりそうですか? ロゼッタをクビにするワッフル工場のオヤジさんが、あの「息子のまなざし」のお父さんに似ているなと思っていたのです〜。
うほ?『ジェヴォーダン』ですかぁ?観たんだけどなっ。。記憶が。。
はい〜観なくちゃ作品が多すぎ!!笑
Posted by マダムS at 2006年01月18日 22:28
マダムSさんどうもごぶさたしてます。
そしてちょっと遅れましたがあけましておめでとうございます。
ダルデンヌ兄弟の作品は全部観ましたよ。彼の作品はロゼッタで初めて知ったのですがかなり衝撃をうけました。新作のある子供も観ましたがこれはかなり私的にはよかったですよ★
では今年もどうぞよろしくおねがいします。
Posted by らん at 2006年01月19日 18:34
>らんさん
こちらこそ〜すっかりご無沙汰しちゃってごめんなさいね〜〜今年もどうぞよろしく。
さすが、らんさん!
ダルデンヌ兄弟は全部ご覧になってるのねっ!? 「ある子供」私も是非観てみたいと思ってます♪
Posted by マダムS at 2006年01月19日 20:16
はや!trackback!ありがとう!
「息子のまなざし」お楽しみにね。
Posted by margot2005 at 2006年02月05日 21:46
>margot2005さん
これが私とダルデンヌ兄弟との最初の出会いでした! これからちょっと要チェック監督。
「息子のまなざし」も観ますねお世話になります。
Posted by マダムS at 2006年02月06日 08:04
はじめまして。Cartoucheです。
ダルデンヌ兄弟の映画は、ハンディカメラの映像ば見にくく、音楽もエンタメもないのに、なぜか惹きつけられてしまいます。それにしてもベルギーの経済状況はひどいですね。
Posted by Cartouche at 2006年02月26日 14:10
>Cartoucheさん
初めまして♪
ようこそおいで下さいました(^^)/
そうですね〜あれから「ある子供」を観に行きましたけれども(感想書けてないですが)、本当に音楽も何もない相変わらずの同じ作風ですが、グイグイと惹きつけられるんですねぇ・・ベルギーも含めてヨーロッパの経済事情は深刻なんでしょうか。映画で色々勉強になりますね。
Posted by マダムS at 2006年02月26日 18:36
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