1978年にイタリアで実際に起こった”元イタリア首相アルド・モロ誘拐殺人”を題材とし、犯人グループ=赤い旅団(極左武装集団)の一員である女性キアラの視点から描いた事件前後の数ヶ月の話です。『夜よ、こんにちは』
(原題:Buongiorno, Notte)
2003年イタリア (イタリア映画祭2004上映)
監督・脚本:マルコ・ベロッキオ
出演:マヤ・サンサ、ルイジ・ロ・カーショ、ロベルト・ヘルリツカ
1977年の暮れローマで、あるアパートに新婚を装って入居した夫婦・・
実はそれは隠れ蓑で、実際は極左武装集団=赤い旅団のアジトとなり、部屋の奥には隠し部屋を作り、何かのために着々と準備をすすめる。
やがて年も明けたある日、メンバーが木箱に入れ極秘に持ち帰ったのは当時の与党第一党キリスト教民主党党首のアルド・モロだった。
隠し部屋に入れられ自由を奪われたモロだが、その落ち着いた態度、穏やかな物腰は決して人に裁かれるような人間とは到底思えない。 やがてモロはメンバーと話し合う機会をもとうとする。また、家族や法王宛の手紙を書く日々・・そういった人間性に触れた女性メンバーのキアラは気持ちを深く動かされる・・
しかし、彼らの”裁判”での”判決”は下った・・死刑。
数人の男性メンバーと寝起きを共にし、集団の思想を信じて共犯者となっているキアラだが、いつしかこの行為に疑問すら抱くようになり、しばしば幻想を見るまでになる・・自由な姿でのモロを・・。
実際の結果は歴史に刻まれたとおりで、彼らの数回に及ぶ交渉に政府は一切応じず、モロは殺されてしまった。 イタリア人にとってこの事件は「政府が見殺しにした」というマイナス感情を今でも持っているとどこかで見かけた。
彼らの思想は私には到底理解出来ないが、唯一この女性が親のような年頃のモロに対して持った一種の感情に救われる思いだった。
本作の描きたいのは事件の詳細を追及する事ではなく、良心との戦いを持ちえた女性を描く事で、聞く耳を持たない頑な態度のリーダーの姿が見る者に恐怖を与えることか・・。
「輝ける青春」のお兄ちゃん役のルイジ・ロカーショが、まったく異なる冷徹なテロリストで登場。 兄妹と絡む女性役のマヤ・サンサが本作では 唯一の女性メンバーとして繊細な演技を披露していた。
実は「輝ける〜」の中でも この事件は大きく絡んでいる。
兄ニコラと愛し合い子供まで儲けた女性が いつの間にかこの赤い旅団の活動にのめり込み、家族を捨てる道を選んでしまうくだりだ。 その苦悩する様子は本作のヒロイン/キアラと意味は違えど少し被る。
イタリア近現代史を学ぶなど大袈裟な気持ちを持たないでも、十分見ごたえのある作品だと思います。



マヤ・サンサはまたしてもステキでしたよねぇー。
ルイジ・ロカーショはいつもと違ってドライな役でしたが。
この映画はテーマがしぼられたシンプルなものでしたが、イタリア映画祭で観たごちゃごちゃもりだくさんな内容のものたちよりも、私にとっては手ごたえのある逸品でした♪
ぼんじょるの〜♪
マヤちゃん、素敵ですよねー♪ 誰しも愛さずにはいられない様な魅力のあるひとだと思います。他の作品も観てみたいわね。ロカーショはちょっと似合わない役のような気がしましたが・・
ふふ、かえるさんも短い時期に随分たくさんイタリア映画をご覧になりましたよね(^^)b
TB&コメント 感謝です♪
「輝ける青春」をまだ見てないです〜(^^ゞ
早く見なければ…
イタリア作品ってなんか私には彫刻的な美しさを感じてしまいますよ。
史実でありながらもどこか寓話的な監督の視点には拍手ですね。
わーい、シャーロットさんもご覧になったんですねっ♪
嬉しいですよ〜毎日でもいらしてね お茶用意して待ってますので(笑)
「輝ける青春」は6時間ですからね・・長いです。
家でその時間をとるのってなかなか大変でしょうと思いますが・・でも是非是非!
イタリア映画って私も全然詳しいわけではないですが、硬→軟まで色々なタイプがあって面白いと思います♪ この映画も若い女性の視点から描かれていたので陰湿な事件でありながらそう・・寓話的で救われる思いでしたね〜
かえるさんのところから、飛んできました。
わたしにとっては、久しぶりのイタリア映画だったと思います。
「輝ける青春」はその長さに恐れをなして見に行っていなかったのですが、後悔しています。
キアラの黒く美しい瞳に感情移入して、心の揺れを共有しながら鑑賞できた気がします。
夢のような幻想シーンは、音楽とともにとても印象に残りました。
トラックバックさせていただきますね。
初めまして、ようこそ!! 嬉しいです♪
最近のイタリア映画は昔に比べて日本で一般公開される本数が極端に少ないですものね・・映画祭などで積極的にこちらから探さないと出会えないのが現状だと思います。
私も昨年の『輝ける青春』に出会えなければ、この作品にも気がつかず、きっと見過ごしてしまったに違いないと思うのですよね・・
だれかを批判するために作られた作品ではなく、おっしゃるように事件をヒロインの視点から描いていて、実際は陰惨な事件なのにホッとさせられる面もありましたよね〜
キアラを演じたマヤ・サンサの瞳は「輝ける〜」の中でもきっと感動をもらえると思います〜是非是非DVDでご覧下さいね(^^)b
そちらにも伺います〜♪
私もマヤ・サンサの視点には共感する部分が多く、彼らの中にある同じ人間の部分を感じたことで、微かな希望を感じました。
マヤさんの今後の出演作も楽しみですね♪
DVD化されて喜ばしいです〜♪ ご覧になれて良かった!
マヤ・サンサの黒くて憂いのある深い瞳がこの役にぴったりでしたよね。
里帰りして、両親の可愛い娘に戻った時の一瞬のとまどいなども辛く思い出されますね。
女優さんとしてこれからも楽しみです。
綾 Bianca さん
ほんとに。 彼らは一種の新興宗教と同じで、信者なのでしょうね。 指導者の思想は「絶対」というのは恐ろしいことです。「クライング・ゲーム」のIRAも一人ひとりは皆 心を持った人間なのに。。ですよね。
モロを演じた俳優さん、尖った鼻やあご、思慮深い眼差しなど。。なるほどジャン・コクトー似でしたね(^^)
主演女優さん、美人だわぁ。
夢なのか現実なのかわかりづらいところがあって(私だけ?)、ちょっと混乱いたしました。
おお、立て続けにイタリア映画ですね!
映画祭の準備ですか?笑
主演のマヤ・サンサの黒い瞳、魅力的ですよね〜 彼女は来ませんが、その代わり同じ「輝ける青春」のジャスミン・トリンカは来日しますで〜〜♪
夢かうつつか・・その辺が幻想的でヒロインの人間的な部分を上手く描いていましたね〜