2006年08月21日

侯孝賢監督にはまって/その1 『恋恋風塵』『珈琲時光』

先日鑑賞した『悲情城市』で、すっかり侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督に嵌ってしまったようです♪ ビデオ借りてきて観ました。
恋恋風塵.gif
固定カメラでロングショットの長回しを多用する独特な作風!
慣れていないと面食らうし、一生懸命付いていかないと
置いてきぼりを食ってしまいそうな・・
しかしあえて「付いて行きます!」と言いたくなる・・
素晴らしい作家だと、3本の作品で感じました。
また、BGMをほとんど限定的にしか使わないのだけど、
使った時の効果的なことと言ったら! 
ぐわ〜と後を引く要因の一つとなってます。
『恋恋風塵』
原題:Dust in the Wind 戀戀風塵
1987年 台湾
監督: Hou Hsiao Hsien 侯孝賢(ホウ・シャオシェン)
撮影:Lee Ping bin 李屏賓 リー・ピンビン「夏至」「花様年華」
音楽:陳明章 チェン・ミンジャン 「幻の光」
キャスト: 王晶文 ワン・ジンウエン (ワン)、 辛樹芬 シン・シューフェン (ホン)、 李天祿 リー・ティエンルー (祖父)、 林陽 リン・ヤン (父)、 梅芳 メイ・フアン (母)
恋恋風塵2.jpg <Story>*******************************
1960年代終わりの台湾。
中学3年生のワンと2年生のホンは幼い頃から兄妹のように一緒に育ってきた。 炭鉱と金鉱で栄えた村も今は寂れ、子供達も中学を出たら家の家計を支える為に働きに出る運命にある。 中学を出たワンは台北の印刷所で働きながら夜学に通い、後から出てきたホンも洋裁店で働き始める。
二人は今まで以上に相手を大事に思うようになり、一緒になる事を夢見るようになるが、ワンが徴兵され入隊してしまう・・・
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勉強が好きな男の子が家の経済事情で進学を諦めなくてはならず、まだまだ色んな面で幼いのに厳しい社会に放り出された心細さ・・幼馴染で好きな女の子に精神的に頼っている様子がとっても不憫でありました。想いを口に出せぬまま空回り・・女の子の方が成長は早いですからね、結果は目に見えているのですが切ない純愛ラブ・ストーリーです。
なんだか戦後日本の日活か松竹の邦画を思い出させますが・・。
日本統治→国民党支配が残した台湾の特別な事情をサラリと匂わせ、徴兵という今の日本にない制度に引き裂かれる恋人達の話に切なくなります。

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珈琲時光.jpg『珈琲時光』
2003年 日本 (小津安二郎百年誕辰紀念作品)
第61回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門出品
監督/脚本: 侯孝賢 ホウシャオシェン
撮影:李屏賓 リー・ピンビン 「恋恋風塵」「春の雪」
キャスト: 一青窈、 浅野忠信、小林稔侍、余貴美子、萩原聖人 他 
<Story>*******************************
2003年夏、東京。古本屋を営む鉄道マニアの肇の力を借りて、30〜40年代に活躍した台湾出身の音楽家・江文也について調べているフリーライターの陽子は、お盆の帰省で実家のある高崎へ戻った際、父と継母に妊娠していることを告白した。相手は台湾に住む恋人。しかし、結婚する気はなかった。
(goo映画サイトさんより)
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これは東京生まれ東京育ちの私にとっては、嬉しい「東京物語」でした。
まして独身時代にテリトリーにしていた懐かしい風景がメイン・・
↑こうして人の書いたストーリー紹介を読むと「そうか」と思うけど、実際解説無しで観るとかなり「?」の部分が多いかもしれないですね〜でもそういう事はどうでもいい映画なのかもしれないです。(実家の”お母さん”が継母ってどこでわかるんだろう・・)
人物に必要以上に立ち入らないカメラは相変わらずで、撮影監督したリー・ピンビンは「花様年華」などとはまったく違ったカメラワークだから、監督の思いを正確に叶える優秀なカメラマンなのだろう・・。

誠心堂.jpg誠心堂ガラス.jpgいもや外観.jpg
↑浅野君の古書店と、その友達が働く天ぷら屋→いもやについてはコチラ
いずれも 東京神田神保町で最近撮影してきました。

私自身、今回3本の作品が図らずも出会うべくして出会った不思議な繋がりがあった事に驚いてます。
@音楽の” S.E.N.S. ”&トニー・レオン→「悲情城市」
A「悲情城市」で侯孝賢監督に嵌って「珈琲時光」&「恋恋風塵」を観る。
B「紙屋悦子の青春」を観た岩波ホール近くの天ぷら屋さん”いもや”と”誠心堂書店”は「珈琲時光」に登場。
Cいもやと誠心堂のある神田神保町は若かりし頃の私のテリトリーだった。
D「恋恋風塵」の音楽はどこか聞いた事があると思ったら、以前に邦画の『幻の光』’95(江角マキコ主演)を観た時に気に入ってCDを劇場で購入して持っていた陳明章(チェン・ミンジャン)だった。
E陳明章は侯孝賢監督と他にも一緒に仕事をしていた(「戯夢人生」’93)


posted by マダムS at 23:44| Comment(7) | TrackBack(1) | アジア映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
マダム、早速御覧になったんですね〜〜
「恋恋風塵」・・最初のローカル線の線路を
ずっと走っていく汽車のシーンがいいですよね。
何気ない日常と、少年と少女の淡い初恋も、少年の失恋も、本当に淡々と描いていきますよね。
でも見終わった後、なんと言ったら、いいのかわからないくらいズシンと響いてきます。
多分、映画が自分の波長とぴったりあったって言う感じだと思うんですよ。
この映画に出てくる、夏の田舎の夕涼みの風景なんか、私の子供のころの田舎の風景と全然変らないんですよ(懐)

この映画に出てくるローカル線に乗ってきましたよ!
車窓から見える景色も、乗ってる人の素朴さも
この通りでしたよ!!!

「珈琲時光」は、まだ見ていないんですよ。
Posted by キウイ at 2006年08月23日 01:02
わたしもいもや、いまだに神田に出たときはふらっとよりますよ。
高校の頃から行ってます〜〜

それと、トニーも大好きなんす。
今度は「日本軍と通じてた中国政府のひと」なんかの役もやるらしいですね〜
またトニー話ができるとうれぴいです。

Posted by jester at 2006年08月23日 07:18
こんばんは、ハマってらっしゃいますね〜。
でも、自分でこれだって思った作品に、意外なリンクっていうか、つながりがあったりすると嬉しいですよね。
何気なく続けて見た作品に同じ俳優さんが出ていたりとか。
映画を観る一つの楽しみですね♪
Posted by わかば at 2006年08月23日 22:17
 キウイさん
ひゃ〜あのローカル線に乗られたんですねー!?
あの山の稜線の間から見える海もご覧になったんでしょうか・・
懐かしい感じがするのは本当に日本の田舎と変わりない風景だからでしょうね〜 風景だけでなく、田舎から中学を出て集団就職する子供達なんかも「3丁目の夕日」でも登場しましたが、日本の貧しいけれど人情がまだあった時代と重なりますよね〜あ〜同じだななんて思いました。
アン・リー監督は比較的現代的な台湾を取り上げていたので、今回はホウ監督作品のお陰で戦後の台湾もちょっぴり勉強になりましたわ^^
失恋も淡々と描いてますが、兵役が終わって里帰りする時に彼女の作ったシャツを着てくるのが、切なかったですぅ〜

 jester さん
わぁ〜!?「いもや」ご存知でしたか!?
しかも、高校の頃からぁ〜?もしやテリトリーだったんですか?あの辺っ!?なんだかまたもや親近感が・・笑
おお、トニーもお好きでしたか! ”あの方”とはまた全然面立ちが違うような気がするのですがが。。?(笑)おっ新作ですか?ノーチェックでした!調べてみますね〜うふふ
今度は是非トニー話しましょう!
情報ありがとう〜♪
Posted by マダムS at 2006年08月23日 22:25
 わかばさん
こんばんは〜♪
はい〜はまりました!(笑)
私って一つ気に入ると芋づる式に その俳優とか監督の過去作品観る癖があるんです〜♪ その間はその事で頭が一杯(^^;)
そうそう、知らないで観てたまたま同じ俳優さんが出てたりも嬉しいですよね^^それから、今の売れっ子スターが若くてまだ売れない頃のちょい出なんか発見するのも楽しいですよね〜♪
うっふっふ。
Posted by マダムS at 2006年08月23日 22:37
大道芸観覧レポートのkemkemuです。
恋恋風塵、以前映画館で見ました。
上の線路の風景、とても印象に残っています。
Posted by kemukemu at 2006年10月17日 02:09
kemukemu さん
こちらにもコメント有難うございます♪
映画館でご覧になりましたか!
長い線路の上を歩いてくるシーン、なんとも初々しい二人・・仲の良さも微笑ましく印象的なオープニングでしたね。
現在、渋谷でホウ監督の特集上映をやっているのですが、なかなか行けません・・
Posted by マダムS at 2006年10月17日 08:50
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『珈琲時光』の時間
Excerpt: 映画が終わって場内が明るくなり、映画館の外へ出ると、何時間かひたっていた虚構の時
Weblog: Days of Books, Films
Tracked: 2006-10-29 19:11
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