2007年01月12日

『武士の一分』

武士.jpg藤沢周平×山田洋次時代劇3部作最終章。。

前2作(「たそがれ清兵衛」「隠し剣鬼の爪」)共に劇場鑑賞したので、これもやっぱり気になりつつ・・迷って迷って公開終了間近!(笑;)「新聞屋さんの招待券があるから」と友人に誘って貰ったので、「渡りに船」っとばかりに観て参りました♪

やっぱり「寅さん」に通じる”人情劇”がココにも息づいていて・・

『武士の一分』2006年/日本
原作:藤沢周平「盲目剣谺返し」(「隠し剣秋風抄」文春文庫刊)
監督・脚本:山田洋次
音楽:冨田勲
衣装:黒澤和子
出演: 木村拓哉、檀れい、笹野高史、小林稔侍、桃井かおり、坂東三津五郎
公式サイト

<Story>************************
 三村新之丞(木村拓哉)は東北の小藩に仕える三十石の下級武士。剣術の覚えもあり、藩校でも秀才と言われながら、現在の勤めは毒味役。張り合いのない役目に不満を持ちながらも、美しく気立てのいい妻・加代(壇れい)とつましくも笑いの絶えない平和な日々を送っていた。ところが、そんな平穏な生活が一変してしまう。貝の毒にあたった新之丞が、一命は取り留めたものの失明してしまったのだ。絶望し、自ら命を絶とうとする新之丞を、加代は懸命に思い留まらせるのだった。しかし、武士としての勤めを果たせなくなった以上、藩の沙汰次第では生きていくことも叶わない。そこで加代は、嫁入り前からの顔見知りだった上級武士の島田藤弥に相談を持ちかけるのだったが…。
(allcinemaより)**********************

 美人の妻がいるゆえに、たそがれ清兵衛ほどヨレヨレではないが、前2作同様やっぱり貧乏な下級武士・・現代だって”つまじきは宮仕え”の身、余程の事がなければ表舞台に立つ事など無く、どんなに一生懸命働いたって自分が儲かるわけでもなく、贅沢な生活など夢の中・・一部の超エリート・キャリア組を除いては出世もある程度までで頭打ち、地味な一生を送るのが公務員だ(このシリーズ、ちょっと我が身につまされる話なので、ちょっと愚痴ってみました 笑;)。

 そんな主人公たちだが、3作に共通してるのは「剣術に優れている」こと。
唯一誇れる特技だが、普段はおくびにも出さず、目立たず謙虚に暮らしているから、そんなことは誰も知らずに過ごしている・・
が、その剣の腕をイヤでも使わざるを得ない状況に陥り、ここぞという時に実に鮮やかに決めてくれるこの爽快感!!
今回も、目が不自由になりながらもしっかとその決め事を守ってくれた。
「弱い者が強い者を倒す気持ち良さ」は、私たち庶民にはいつの世も心躍る話なのである♪

 それに加えてもう一つの見所は、やはりこの時代の日本の男女のかくも奥ゆかしき愛情表現。 今回はすでに夫婦であるが、武士の面目を守る為に別れることになってしまう。 が、離れてもなお、相手のためを思って苦しむ・・。決して大げさに騒ぎ立てたりしないけれど。 嬉しいのは毒見役仲間が何くれと気を使って尋ねてくれたり、大事な情報をキチンと持ってきてくれる温かい人情・・。日本人の”美しい心”や”美しい所作や文化”を今一度思い出させてくれ、邦画を見直すきっかけとなった「たそがれ清兵衛」ほどではないけれども、やはりいつ観てもこういった作品に心和むのは自分が日本人なのだからだろうと思う。

★キャストについて・・
 今回初めて本格的時代劇に挑戦したキムタクがどのように演じてくれるのか?ファンの方には申し訳ないけれども少々不安だったキャスティングだが・・(汗;) 最初こそいつもの「キムタク節」が見え隠れして、「あーやっぱりダメか?」と思ったけれど、盲目の芝居になってから一気に”気合い”が入ったのか!? 素晴しい役者ぶりを発揮してくれたと思う。 中間役の笹野高史さんもいいですね! こういう脇役がいてくれてこそ引き立つ主役なのだし。 三作すべてに出演した小林稔侍さんが出てきて嬉しかったのに、哀れ最後。 桃井かおりさんの小うるさくて嫌な親戚も絶妙。 壇れいさんも素晴しく、何処のお方か?と思ったら宝塚御出身だそうで・・オドロキです♪ やはり一芸に秀でるものは・・ですね。

ギリギリ鑑賞出来て良かったです晴れ
posted by マダムS at 07:58| Comment(20) | TrackBack(7) | 邦画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
マダムSさん、こんばんは。
こちらではご挨拶がまだでしたので・・
今年もよろしくお願いします(^^)

昨年のベスト作品に、鑑賞作品に、次々と更新されて凄いですね〜
なかなかコメントできませんが、いつも楽しみに拝見しています。

私は拓哉ファンなので
かな〜〜り甘いのかもしれませんが(笑)この作品好きでした♪
マダムさんの感想楽しみにしていますね。
Posted by さくらこ at 2007年01月12日 20:46
さくらこさん
あ、わざわざおいで下さいまして・・なのにまだ感想書けていなくてごめんなさい!(笑;)
いえいえ・・毎度の事ですが、我が家には女の子がいないのでどうも華の無いお正月でして・・(^^;) こちらこそ今年もどうぞよろしくお願い致しますね!
そうそう! さくらこさんに拓哉さんのワルグチは言えませんねっ わぉ〜感想なんて書こうかしら(爆)
Posted by マダムS at 2007年01月12日 23:20
↑拓哉の悪口はいうな〜と脅しのようなコメントでしたね。
大変失礼いたしました(^^;

俳優・拓哉の悪口は聞きなれているので
ズバ〜っと斬ってやってください(笑)
Posted by さくらこ at 2007年01月13日 08:55
こんばんは。
同感ですー。出だしはどうなるかと思ったけれど、目が見えなくなってからのキムタクはすごくよかった! 殺陣も上手でしたね。ちょっと見直してしまいました。マダムが挙げられてた皆さんに加え、ちょっとヤラしく憎たらしい三津五郎さんもなかなかよかったです。
『オーロラ』鑑賞直後の口直し(爆)のつもりのシネマカード滑り込み鑑賞だったんですが、とってもお得な気分というか、よいものが観られてよかったなという感じでした。
Posted by mako at 2007年01月13日 18:16
今晩はー☆
そうそう、中盤の目が見えなくなってからの木村拓哉は違いましたよねー。
和服も似合ってたし、殺陣も上手かったので良かったと思いますよ。

上質な日本映画だと思いますが、作品としては たそがれ〜のほうが秀作かなと思います。
Posted by mei at 2007年01月13日 19:57
マダムSさん、こんばんは♪
このシリーズにおいて主演俳優が必要以上にクローズアップされるのを懸念していたので、本当は違う方にやっていただきたかったのです。
それでも、キム様の入れ込み具合もすごかったようですし、結果オーライかな。
藤沢×山田ワールドが大好きです。
日本人のDNAに訴えかける何かを持っているからでしょうね。
Posted by ミチ at 2007年01月13日 20:52
今年もよろしくお願いします。
この映画のキムタク、とってもかわいくて好きです。

3部作みんなよかったですね。
1番好みだったのは「隠し剣・・」の永瀬クンです(^・^)
Posted by トラー at 2007年01月13日 20:57
こんばんは〜
 
>「弱い者が強い者を倒す気持ち良さ」は、私たち庶民にはいつの世も心躍る話なのである♪

コレですよねー。コレ!!
やっぱ庶民は強いものに惹かれるもんだね。
この映画ではやはり「徳平」ですね。
彼が夫婦二人の性格もよく知った上での行動がラストのほのぼのハッピイエンドに繋がったのではないかな\
Posted by 更紗♪ at 2007年01月13日 21:42
こんばんは☆
私、なんとなく入れなかったのでした。
うーん、どうも壇れいの舞台口調が気になったのと、「一分」というよりこの場合「こだわり」かなあ〜という目線だったという事に行き着いてしまって。苦しい。爆
女って哀しいなとか、わけもわからないもやもやした気持ちになってしまったのでした。
でも泣いたんだけどなあ〜。爆殴・・・
Posted by シャーロット at 2007年01月13日 21:52
さくらこさん
うふふ。。やっと感想書けました♪
キムタク、思っていたよりはずっと良かったですよ!頑張ってましたね^^剣道習っていたんですねー殺陣も様になってましたもの(^^)v

makoさん
ご覧になっていらしたのですねー!うわっ口直しだったんですね(爆)
早速そちらにも伺います♪
三津五郎さんはもう着物の所作なんかはさすがですし、あの貫禄は敵いませんわね〜。

mei さん
そうなんですよ、思っていたよりはずっと途中からのキムタクには感心しました。
あ、私も好きな順番だとやっぱり「たそがれ」>「隠し剣」>「武士」となるんですよね・・

ミチ さん
>日本人のDNAに訴えかける何かを持っている
そうなんですよね、まったく同感です。
「たそがれ」観た時に、シリーズ化してくれないかな・・なんて思ったら3作まで作ってくれた事に感謝してます(笑)

トラーさん
こちらこそ、今年も沢山どうぞよろしく♪
キムタク可愛かったですか? 
「白虎隊」のヤマピーも頑張ってましたね! 永瀬クンどころじゃないでしょ?(謎笑)

更紗♪さん
そうそう! 徳平の存在が良かったですね〜笹野高史さんの飄々とした演技が光ってましたー 各映画賞にもノミネートされて、今年は一気にブレイク?というか、やっと長年の功績が認められたって感じでしょうかしらね^^

シャーロット さん
おっと、ダメでしたか?
時代劇があまりお得意でないとすんなり受け付けられないかもしれませんよね〜
う〜ん、やっぱりこの時代ですからね、女性の立場は低いですし・・哀しいですよね。 でも泣いたのね?爆 頭じゃなくて日本人のDNAが泣いたのよきっと(^^)b
Posted by マダムS at 2007年01月14日 00:35
すっかり遅くなりましたが、今年もよろしくお願いします。
コメント、ありがとうございました!
泣き虫の自分ですが、泣かなかった映画です。(^^;) 「夫婦愛」とかいうのに微妙な反応をしてしまうので(爆)。まあ、いろいろあるわけです。とはいえ、この映画は、なかなか良かったと思います。山田監督の冥利につきる作品になったのでは?
Posted by あかん隊 at 2007年01月14日 00:52
あかん隊さん
こんにちは♪ こちらこそどうぞよろしくお願いします。
私も 「う、うぇ〜ん!」というより「うるる・・」という感じでしょうか・・。
まあ、いろいろありますよね>夫婦。
山田監督はかなり厳しい人らしいですが、監督の作品から一貫して生み出される”人の情”の深さにいつも心動かされます。
Posted by マダムS at 2007年01月14日 12:07
あの庄内弁が、いいですよね〜〜
お毒見役という役職も、こんな感じだったのかと、頷けます。
私は3作とも好きです。

桃井かおりの役どころが、ちょっと「トラさん」を感じさせてくれます。
そうそう、あの桃井かおりの息子やくの
坊ちゃんは、笹野さんの実の末のお子さんらしいですよ〜〜
Posted by キウイ at 2007年01月15日 00:43
キウイさん
そうそう。。庄内弁。。方言っていいですよねえ。
お毒見の手順については公式サイトの解説に、詳細は何も資料が残ってなかったので、スタッフとキャストと相談しながらあのような様子にしたと書いてありました。殿様のまったくあずかり知らない場所でのお仕事・・報われないのかと心配しちゃいましたよねぇ!
一緒に行った友人がエンドロールに「ささの・・」という名前を見つけてもしかしたら?ってウワサしてたんですが、やっぱり息子さんでしたかー!(^^)b
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                               
Posted by マダムS at 2007年01月15日 19:18
前の2作はフランスに来たのでこれもそのうち来るだろうなと期待してます。

壇れいさんは宝塚時代からのファンだったりします。舞台でもそれはそれは美しかったですよ。宝塚卒業後はラジオとか地味なお仕事をされていたようなので、この映画出演はうれしかったです。これからも映画界で活躍してほしいですねぇ。

キムタク・・・時代物、しかも殿様じゃなく下級武士役というのはどうなんだろ?と思ってましたが、そうですか、よかったんですね。ホッとしました。今、出てるドラマも見たいところですが・・・。
Posted by nouilles-sautees at 2007年01月16日 23:10
nouilles-sautees さん
おお!前2作をそちらでもご覧になれたのですね? ではこれも期待できそうですねぇ♪ キムタクの知名度はどれ位なのでしょうか・・「2046」はカンヌでも評判だったんですよね?
壇れいさんのファンでいらしたとは!そうですかそうですか〜♪ 生舞台もご覧になっているのですか? はっきりした目鼻立ちで現代的な美人さんだな〜と映画観ながら漠然と思っていたんです(^^)b
今後はひっぱりだこではありませんか?日本のあちこちの映画賞で新人賞やら助演女優賞やら受賞しているようですし。
キムタクにしてもそうですが、時代劇を演ると一気に成長しますよね〜俳優さんって。
Posted by マダムS at 2007年01月17日 01:38
見る気はなかった作品ですが、昼間の試写会に誘われ、見に行きました。
時代劇好きの両親により、TV時代劇を見ていたので、時代劇の向きの顔じゃないキムタクを見ただけで、バスと思いましたの。

キムタク以外のみんな脇役がよかったです。だって、みんなうまい人ばかりなんだですもの。
脇役専門の赤塚直人なんかでも、だてに長くやっていないのね、やっぱり演技がうまい人なんだ。今まで気づかなくってごめんなさいと思いましたわ。
Posted by MACHI at 2007年01月17日 09:44
MACHIさん
うう、ごめんなさい!日本の俳優にはまったく疎いワタクシ・・・赤塚直人さんってどの役の人でしょう?今回パンフを買わなかったし、ネットで検索かけても顔写真が出てきません・・(大汗)
Posted by マダムS at 2007年01月17日 12:20
申し訳ございません。名前を間違えておりました。
赤塚真人さんです。演技が自然だと思いました。
http://akatsuka.blog68.fc2.com/

それと、先日テレビでたそがれ清兵衛を見て思ったんですけど、なんかキムタクのしゃべりになじめなかったのは、方言の「ありましね」って言葉の「し」をはっきり大きく発音しすぎているのかもと思いました。
Posted by MACHI at 2007年01月17日 23:09
MACHIさん
有難うございます! わかりました!
昔から沢山ご活躍されてる俳優さんですよね〜 お名前、今度こそ覚えます(^^;) で、長く脇役で活躍されている方ってやっぱり演技力があるからですよね^^
「し」ですかー!? 耳がいいですね! MACHI さん・・ 
Posted by マダムS at 2007年01月18日 09:08
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