2007年01月18日

『マイケル・コリンズ』('96)  DVDで

マイケル1.jpg昨年末にケン・ローチ監督の『麦の穂をゆらす風』(感想はコチラ)を観てからずっと気になっていたこの作品。やっとDVDで鑑賞しました。

アイルランド独立運動の英雄=マイケル・コリンズの実像にせまる力作でした。 米国資本ながら、監督のニール・ジョーダンをはじめ、ダブリン出身のリーアム・ニーソン他、アイルランド出身者を多く使うことで役者さん達のDNAがもたらす熱のこもった演技力を引き出しつつ、ドラマティックな演出でエンタテイメントとしても楽しめる作品に仕上がってました。

『麦の穂〜』とリンクする部分も多々あるので、両方観ると更に深くアイルランドの今に続く血塗られた悲しい歴史を理解する一助となるかも。

『マイケル・コリンズ』 1996年 イギリス/アイルランド/アメリカ
1996年ヴェネチア国際映画祭 金獅子賞
原題 : Michael Collins
監督・脚本:ニール・ジョーダン
出演:リーアム・ニーソン、ジュリア・ロバーツ、エイダン・クイン、アラン・リックマン、イアン・ハート、スティーヴン・レイ

出演者情報などはまったく知らずに観始めたら、あまりに豪華な面々でびっくり。この作品で認められたというデビュー間もないジョナサン・リース・マイヤーズが、ラスト近くに主人公を暗殺する少年役で登場したのにはたまげました!
リーアム.gifアラン.gifアイダン.gifジョナサンS.jpg
<Story>*********1916年。12世紀以来英国に支配されたアイルランド。独立を求めてマイケル・コリンズ(リーアム・ニーソン)は、デ・ヴァレラ(アラン・リックマン)ら指導者のもと、「イースター蜂起」と呼ばれる武装蜂起を決行するが失敗。釈放されたコリンズは同志で親友のハリー(エイダン・クイン)、配下のジョー(イアン・ハート)らと共謀、「アイルランド義勇軍」なる親衛部隊を率いて、新たな独立運動を展開した。処刑をまぬがれたヴァレラを獄中から救出し、協力者となったブロイ警部(スティーヴン・レイ)の手引きで英国警察の諜報網をつかんだコリンズは、命知らずの青年たちに命じて英国の官憲たちを暗殺していくなど、大胆な戦略で敵を翻弄、独立運動を支えた。そんな彼の安らぎは、彼とハリーを見守る同志の女性キティ・カーナン(ジュリア・ロバーツ)の存在だった(goo映画より)**********************

 今ではすっかりテロリスト集団のイメージしかない”IRA”だが、元々は700年にも及ぶイギリスの支配からアイルランドを独立に導く為に結成した義勇軍だということ・・「麦の穂をゆらす風」で初めて知ったのだけれど、この作品ではその中心となった実在の人物たちをかなり史実に忠実に描いているらしい。(数点、映画的な手を加えた出来事や人物がいることはDVDの特典映像のインタビューで監督が語っていたが)

マイケル本人3.jpg31歳という若さで暗殺された稀代の英雄=マイケル・コリンズの頭脳明晰なリーダー的資質に加えて、意外とも言えるほど人懐く、人々に好かれたカリスマ的人気。 ゲイの噂もあったほど同姓の友人との密着した関係や、女性との恋愛などなど・・目が離せないほどの魅力溢れた人物像をリーアム・ニーソンが上手く演じていたのではないだろうか。
←本人 (DVD特典に本人の動く映像も納められており、本当になかなかのイイ男ぶりです←不謹慎)
 それだけに事実は謎だが、デ・ヴァレラ(後のアイルランド初代大統領)が希望通りには行かない事が解っていた条約締結のためにマイケルをイギリスに行かせ、条約がとても承認出来るものではないものだったことの責任を彼に被らせる形となったのは、彼のコリンズへの妬みもあったのかと思わせる描写になっていた。 そしてその後の条約承認派と反対派に分かれた内戦へと発展していった様は、とても観ていて辛いものがあった。

(ここからネタバレしています)
 昨日まで一緒に独立運動を戦ってきた仲間を敵に回し、泥沼のような内戦へ・・・「麦の穂〜」の田舎の風景と対照的にこちらはアイルランドの中心地での戦いである。歴史ある建物なども容赦なく爆破され、沢山の人の血が流される。 しかし、友を失い、仲間を失う哀しみは同じ。

 そして、クライマックス・・
「麦の穂〜」の舞台となったコーク州は マイケル・コリンズの故郷でもあり、その地へ反対派との交渉会議をするために向かった一行へ放たれた凶弾で短い生涯を終えたマイケル・・太く短く生きた”魅力的な男”の話だった。

「麦の穂をゆらす風」を観て、アイルランドの歴史やIRAに興味を持たれた方にはおススメの一本!

(おまけ)
 まだ少年の面影を残すJ・L・マイヤースはこの作品で一気に注目されたというのも頷けるほど、ラスト近くに数シーン登場するだけなのに光ってますね、やっぱり・・色んな役をこなせるとは言い難いけれどこういった個性も貴重な役者さんに今では大出世なのは、皆さんご存知のとおり♪


posted by マダムS at 11:48| Comment(12) | TrackBack(2) | イギリス/アイルランド映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「マッチ・ポイント」「ベッカムに恋して」で見たジョナサン・リス・マイヤーズが10年前だから、まだ若くて、でもやっぱり隣りの人と同じアイリッシュ系の顔なのが分りますね。
Posted by Bianca at 2007年01月19日 08:57
縷Bianca さん
いつもコメント有難う御座います(嬉)
当時は若くてまだ少年の面影を残したジョナサンでしたが、ヒットマンという重要な役を堂々とこなしてました。隣のアイダン・クインと二人、典型的なアイリッシュ系ですよね確かに。
Posted by マダムS at 2007年01月19日 21:45
「麦の穂をゆらす風」は観てないのですが、
リーアム・ニーソンも出演していた『プルートで朝食を』も
アイルランド紛争が絡んでましたね。
両方ともに出演しているガタイのいいリーアム・ニーソンは、
哀愁しょってる猫背の背中がたまらんです。
Posted by Ruiji at 2007年01月20日 00:37
縷Ruiji さん
そうでした!「プルートで朝食を」もですが、リーアム・ニーソンをはじめとして、後のジョーダン組とも言える常連俳優さんたち(イアン・ハート、スティーヴン・レイ)などなどが皆出演してました・・。
リーアムもガタイいいですよね、本物のマイケル・コリンズも大男だったらしいですが。猫背に哀愁が・・くくく・・涙。

Posted by マダムS at 2007年01月20日 10:58
ご覧になったのですねっ!
「麦の穂〜〜」と合わせて見ると、アイルランドの血塗られた歴史をより理解できますよねっ。
もっとも作風は違いますが・・・。
「マイケル・コリンズ」の方が希代の一人の英雄を中心にドラマチックなエンタメ作品になっていました。
リーアム・ニーソン初めアイリッシュ系の俳優さんたちの熱演もすごく感じられましたが、ジュリア・ロバーツが出演していたのには驚いたけど・・・。
今、日本の現代史にも興味があるけど、他国の歴史にもとても興味があるので、こういう作品から、他国の歴史を知ることが出来て、良かったです!!
Posted by 紫の上 at 2007年01月20日 16:31
縷紫の上さん
お蔭様でやっと観ましたよ〜♪
そうでしたね、同じ題材を扱っていながらこちらは都市部での中心的人物を主人公にしていておっしゃるようにエンタメ作品としても十分見応えのある作品になってましたね。 ケン・ローチの名も無き人々にスポットを当てた地味な作品と対照的かも。
私はどちらも好きですねー♪
それからJ・ロバーツには私もタマゲました!なぜここに?と思いましたけど台詞で「アメリカ娘だから」とかなんとか言っていたのでなるほどと納得しましたが(^^;)
映画で同じくお勉強させて貰ってますわ♪
Posted by マダムS at 2007年01月20日 21:49
こんにちはー。
つたやん半額で私も借りてきたんですよー。
中盤一部画像が激しく乱れていてちょっと不愉快。
それもあり、時間がなくて最後の20分くらいはながら見だったんですが、J・L・マイヤースが出ていたなんて。もう一回見なくちゃ。
リーアム・ニーソン、ステキでした。ジュリア・ロバーツはどうかと思いましたが・・・。
霧のかかった夜の街映像が好みでした♪
Posted by かえる at 2007年01月23日 12:59
縷かえるさん
おお、かえるさんもレンタル鑑賞でしたか!
おやおや、画像トラブルでは集中出来なかったでしょう?お店にクレーム付けましたか?お店によっては一回分のレンタルサービス券くれたりしますよね・・
うはは。。最後の20分ですよーJ・L・マイヤースが出るのは!!是非機会があればもう一度挑戦されたし!!
ジュリア・ロバーツは何故に?でしたよね(笑)
Posted by マダムS at 2007年01月23日 21:27
ジュリア・ロバーツは、ずっと以前リーアムと交際していたんですよね。アクターズスタジオインタビューで、ジュリアも、彼が最初のボーイフレンドと言ってました。
リーアムから電話があって、マイケル・コリンズを知っているかとか聞かれて、知らないのにイエスと言って、それから急いでコリンズについていろいろ調べて、リーアムに会った時は、よく知っていると感激されたとも、確か話していましたわ。(爆)
Posted by MACHI at 2007年01月26日 20:28
縷MACHI さん
へっ! それは知りませんでしたよー!?
ジュリアとリーアムがっ?
アクターズ・スタジオのジュリアの回は見たかしらわたし・・忘れているだけかも。(^^;)
Posted by マダムS at 2007年01月27日 00:07
こんにちは、jamsession123goです。

>「麦の穂をゆらす風」を観て、アイルランドの歴史やIRAに興味を持たれた方にはおススメの一本!

なんか、俄然興味が出てきました。
レンタルショップで探してみます。
Posted by jamsession123go at 2007年02月04日 11:40
縷jamsession123go さん
こちらにもコメント有難うゴザイマス!
「麦の穂〜」をきっかけに色々と広がって行きそうですよね^^
是非ご覧になって下さいね 感想お待ちしております♪
Posted by マダムS at 2007年02月04日 23:00
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マイケル・コリンズ(1996/美国)
Excerpt: アイルランド出身のリーアム・ニーソンがアイルランドの革命兵士マイケル・コリンズを熱く演じてます。アイルランドとイギリスの喧嘩って奥が深いんだか浅いだかよくわからん。 ケルト人とアングロ・サクソン人と..
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Tracked: 2007-01-20 00:18

マイケル・コリンズ
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