2007年05月25日

1916年製作サイレント映画『イントレランス』!!〜ビデオで

(原題:Intolerance 1916年/アメリカ 上映時間197分)
凄い! 何もかもが凄いです!!
intoleranceS.jpg
この写真を見ていただければどれだけスケールの大きい作品だったのか想像がつくと思います。古代バビロン宮殿のセット全長1600mー。
地上部分のゴミゴミと沢山の小さいもの・・全部本物の人間のエキストラですー!CGではありましぇん〜がく〜(落胆した顔) 白い象さんもいるいるるんるん

いつの時代もイントレランス(不寛容)が世を覆っていたことを描き、人間の心の狭さを糾弾した。「映画の父」と呼ばれるD・W・グリフィス監督による、『國民の創生』と並び称される代表作にして映画史に燦然と輝く名作。(Wikipediaより)

イントレランス2.jpg監督 D・W・グリフィス 、撮影 G・W・ビッツァー
米公開 :1916年8月5日
日本公開:1919年3月
出演:リリアン・ギッシュ他

★内容は4つの物語で構成されています。
@古代バビロニア編:紀元前539年の新バビロニア王国。新興宗教興隆に不寛容な神官の裏切りでペルシャに滅ぼされるバビロンの話。
Aユダヤ編:紀元前4年のエルサレム。不寛容なファリサイ派のために起こったキリストの受難の話。
B中世フランス編:16世紀のパリ。ユグノーに対し不寛容な宗教政策によるフランスのサン・バルテルミーの虐殺の話。
C現代編:製作当時のアメリカ(20世紀初頭)。社会の不寛容のため、無実の罪で死刑宣告を受けるある青年の話。

この異なった”4時代4話”を同時進行で描き、最後にすべてが結集し、寛容の大切さを説く構成となっています。

Intolerance4.jpgその4つのパートを繋ぐ役目として、リリアン・ギッシュの”ゆりかごを揺らす女”が登場し、聖母を象徴させているとのこと。
Gish.jpgしかし、その内容と構成の難しさと、当時すでに人気女優だったギッシュが意外にも脇役(監督は主役だと思っている)扱いに見えることもあって、当時のアメリカ市民には受け入れられず、破格の製作費が回収出来ずに興行的には大失敗に終わったらしいです。バビロンの壮大なセットを解体する費用もままならず、暫く放置状態だったとか・・。
後にヨーロッパで認められ、今ではサイレント映画の金字塔とまで言われる作品にも 意外なエピソードがあったんですねぇがく〜(落胆した顔)

何度か編集しなおされ、修復され、一部彩色されたものとか、BGMがオーケストラ・ヴァージョンや、その他小規模な楽団の演奏ヴァージョンとか・・現在色んなビデオやDVDが出回っているようです。 ビデオだと2本組で更にレンタル店では2本揃ってないとか!(酷い;)ありますので、ご注意を! 私もその被害に会いまして、前編は淀川長冶さんの解説付きでわりと綺麗なフィルムで見れたのが、後編は別のお店でまったくのモノクロで演奏者も違うビデオでの鑑賞となってしまいました。DVD置いてあるとこ少ないよん・・もうやだ〜(悲しい顔)

役者さん達の演技は、サイレントですから多少オーバー・アクション気味ではありますが、見ているうちにその表情の豊かさにすっかり魅せられてしまいます。 最初はその壮大なセットやらエキストラの数に圧倒されますが、次第にこの作品のテーマである「不寛容」が人間の普遍的な闇の感情である事がしっかり浮き彫りにされ、90年前に作られたこの作品が、今も決して色あせないテーマを持っていることに驚かされました。

また、バビロンのパートは5/20付け記事でご紹介しました『グッドモーニング・バビロン』で その撮影時の様子など垣間見る事が出来ます。 その中で、映画「イントレランス」の完成上映会で、上映後に観客が総立ちになり、「戦争反対!」と叫ぶが、劇場の外へ出てみると、当時参戦ムード(第一次大戦)だったアメリカでは、「上映反対!」「戦争へ行こう!」とのビラが舞い、シュプレヒコールが渦巻いている・・という皮肉。 大変興味深いです。
もしご覧になるようでしたら、両作品共の鑑賞を是非!!



この記事へのコメント
いやあ、映画、実は昔観て、観ながら寝てしまいました(笑)。で、目が覚めたときにはもう何が何だか・・・という状態で。

たまにこのタイトルを聞くと、あのときのことが思い出されるんです。

しかしマダムSさんのレビューを拝読してると、やっぱり見たい、見ておかねばという気になりますねぇ。ただ3時間以上というのは余程気合を入れないと、家で見るにはキツそう。映画館でリバイバルとか合ったら一番いいかも。
Posted by nouilles-sautees at 2007年05月25日 21:02
★nouilles-sautees さん
おおお〜 これをご覧とは!さすがです!
私なぞつい最近までその存在すら知らなかったんですから(^^;)
確かに長いんで・・
私の場合、最初に行ったレンタル店で前編しかなかったので、仕方なく日にちが開いて後編を(別の店で見つけた)観たという状況で、ちょうど良かったかもしれません(笑)
本当は大きな劇場のスクリーンで観てみたかったですぅ〜リバイバルやらないかなぁー!(「カビリア」をやったんだから、何かの映画祭か何かででも上映して欲しいです)
Posted by マダムS at 2007年05月25日 22:21
マダム、こんにちわ!
この映画、88年2月に高田馬Actミニで見ています。50席の、3hじゃ、お尻が痛くなりそうな狭小劇場でした。もう無いかもね。Cで「社会改良家」の不寛容を責めている作家の方が、かえって「不寛容」に思えた私でした。映画の名声は、スペクタクル〔特にバビロン〕または、おてんば少女連のせいか?などと日記にあるけど、わかります?
Posted by Bianca at 2007年05月26日 18:16
こんばんは。
マダムは最近どんどんお勉強に励んでいるのですね。えらいなあ。
わたしもこれって何度か観ようとしたことはあったような気はしますが、たぶん少なくとも通しではみてないです。「グッドモーニング、バビロン」(シャンテのオープニングの作品でしたね。映画祭でも先行上映してV・スパーノとか来てたような)公開のときにあわせてどこかで上映されてた記憶があります。こういう作品はやっぱしおっきい画面で観たいですよね。フィルムセンターならなお大歓迎ですけれども。
Posted by mako at 2007年05月26日 19:26
こんばんは〜。
ふむふむ、私も勉強になります。この作品と「国民の創生」(だっけ?)って色々話題は聞くけど実際観たことも、観ようとしたこともありません(汗)。
でもそういう作品だったのですね〜。こちらの記事を拝見して目からうろこ。
今度新宿で黒沢監督の特集上映もありますが、昔はTVとかなかったからかなあ?長尺ものが結構歓迎されてたんだな、なんて思ってました。

ちなみに…この手の作品はもしかして…と思ってさっき調べてみたら、うちの区の図書館にはありました。今はネットで予約して近所の図書館で受け取れるシステムがおそらくほとんどの市町村であると思うので、クラシック作品はそういうところもチェックされてみてはいかがでしょう?ご参考までに〜(今更ですが)。
Posted by わかば at 2007年05月26日 21:16
私の記憶では〜〜〜(^^;
「グッドモーニング・バビロン」が公開されたあと、「イントレランス」も公開されて、話題になったような気がします。
「グッドモーニング・・」に出てたグレタ・スカッキが好きだったんですが、最近ちっとも
噂聞きませんね>
Posted by キウイ at 2007年05月26日 22:00
★ Bianca さん
わぁ〜〜そうでしたか!!
やはり修復されてから劇場公開もされていたんですねぇ〜 「高田馬Actミニ」ってちょっと調べたらやはり現在はもう閉館のようです。
キウイさんのコメントにもあるように、やはり「グッド〜」が87年の作品ですから、その後掘り起こしされたのかもしれませんよね。とにかくワタクシ80年代は映画鑑賞氷河期なもので露知らず。。そういえば、前編のオーケストラは「武道館で録音」と説明されていたので「?」と思っていました。まだまだ調べる余地が沢山ありそうです。
山の娘、可愛い娘、ブラウン・アイズと3人の娘さん達が可愛いくて♪ なるほど、どちらが不寛容だかわからない場面も世の中多いですしね。。

★makoさん
えーっ スパーノ来日したんですか!?
ああ・・ビデオの最初に「BOW」と出たので、そうなの!?と思っていたんですが、やはりシャンテ上映作品だったんですね!しかもオープニング!??
なんにも知らないわたし・・・。(^^;)
これを観てから「イントレランス」を観ると、あの”白い像”が愛おしくて愛おしくてー。是非是非機会があればmakoさんにはご覧になって頂きとうゴザイマス。
まだまだ勉強が全然足りてないワタクシにご指導を!!!!

★わかばさん
あーっ そうか・・
図書館っていう手もありましたね!!
映画→図書館っていう考えが全然無いワタクシ・・目からウロコですわ!! フィルムセンターも行った事がないし(^^;)(^^;) 今度ネットで調べてみることにします。 レンタル屋より保存状態も良いかもしれませんしね。教えて下さってありがとうゴザイマした。
映画が一番の娯楽だった時代には、長尺のドラマなど沢山あったようですしね、現代人は2時間が限度ですものね〜堪え性が無くなっているのは事実です(含む私)

★キウイさん
やはりそうでしたかー!
Biancaさんへのレスにも書いたのですが、87年作の「グッドモーニング〜」観たら、絶対「イントレランス」観たくなりますもの♪
グレタ・スカッキはとっても個性的な美人さんですよね〜♪
「推定無罪」でハリソン・フォードの奥さん役だったな〜という記憶しかないんですが、最近は?と調べてみたらジョディ・フォスターの「フライト・プラン」でセラピストやってました!!

Posted by マダムS at 2007年05月27日 11:30
むむっ。
私は手をつけていないながら、見るならば、先にイントレランス、後にグッドモーニングという順番をずっと前から(笑)構想していました。
マダム的には、グッドが先で正解でしたでしょか??
はい、そのうちチャレンジします。
といいつつ、どこかでスクリーンで見られる機会を待ち望んで、延期し続けるかもー。
Posted by かえる at 2007年05月30日 16:30
★かえるさん
むふっ。 お先にっ(笑)
でもレンタル屋で探すには後編が同じ店になかったりでエライ苦労しました!(汗)
私の順番「イントレ前編」→「グッドモー」→「イントレ後編」「2回目グッドモー」。
グッド〜で一生懸命作ってるバビロンのセットは、実は「後編」で出てきますので、私の観た順番は偶然にも最も感動的だったかもしれません〜(笑)
そうですよね〜〜なるべくなら劇場の大きなスクリーンで観てみたいもんです!!
Posted by マダムS at 2007年05月30日 20:59
さすが!これは当時から必見と思いつつ、見るにいたっていません。
でもやっぱり傑作ですものね〜
今度探してみます。
Posted by Cartouche at 2007年05月30日 21:54
★Cartoucheさん
「グッドモーニング・バビロン」と是非セットで!! 
ご覧下さいませね(笑)
Posted by マダムS at 2007年05月31日 08:24
かなり時間が経ってからの記事にコメントするは、憚られますが、書いてみます。
前編のビデオは、おそらく1989年、武道館で大友直人指揮、新日本フィルの演奏を録音したものです。
ビデオ最後に合唱が入りますが、わたしはこの合唱を歌っていました。下手くそで恥ずかしいですが…。
イントレランスを上映するイベントは、東京で3回、名古屋で1回、大阪で2回行われたはずで、当時それなりに話題になりました。チケットは、完売しました。
ビデオは、この時のライブ録音です。
当時、イントレランスを見る方法はなく、噂の映画を一目見たいと観客が集まりました。現在のようにインターネットもなく、何とかして一目見たいという人たちで、会場は熱気に包まれていました。
おっさんにとっては、懐かしい思い出です。
Posted by Tristan at 2017年01月29日 23:52
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