2005年08月15日

『父と暮らせば』、ドラマW『祖国』

父と暮らせば.jpg祖国.jpg

今年もまた終戦記念日がやってきましたね
私の世代はまだ自分の親から生の戦争体験を聞く事が出来ましたが、
私たちの”子供”世代(20代以下)となると、ヒロシマに原爆投下された日を正確に答えられるのは驚くほど少ないらしいし、戦争がもたらした数え切れないほどの悲劇を伝える為にはやはりこういった秀作ドラマを見るのが近道かもしれませんよね。
見せたい時にはいつもいないんですが・・ちっ(怒った顔)


『父と暮らせば』

原作 : 井上ひさし
監督 : 黒木和雄
出演 : 宮沢りえ、原田芳雄、浅野忠信 
2004年夏、劇場公開されて気になっていたのをやっとDVD鑑賞。
黒木監督の「戦争レクイエム3部作」の最後の作品だそう。 前作の「美しい夏、キリシマ」も良かったのでこれは見なくてはとずっと思ってました。

広島の原爆投下から3年、自分一人だけが生き残った負い目から「幸せになったらいけない病」で苦悩の日々を送る主人公・美津江(宮沢りえ)だが、娘が心配のあまり突如幽霊となって現れた父・竹造(原田芳雄)に励まされ、悲しみを乗り越えて未来に目を向けるまでの4日間の物語。
人気戯曲作家=井上ひさしさんの原作を映画化したものなので、ほとんどがりえちゃんと原田さんの二人芝居=舞台劇を見ているよう。 親友と、たった一人の肉親だった父親に死なれ(それも目の前で)、今で言う心的外傷後ストレス障害(PSTD)ですよね・・。好意を持った男性がいても一歩踏み込めない気持ちになってしまう。 原爆投下後の悲惨なシーンは当時を描いた絵画などが少し出てくる位。 あえてドンパチや映像の暗さで反戦を訴えたりしないのは「美しい夏、キリシマ」と同じタッチです。 そんな事をしなくても愛する人を失い、自分のせいだと嘆く若く美しい娘さんを目の前にするだけで、十分です。 原田芳雄さんのおとったんがいいですよねぇ・・最後に映像も明るめになり、美津江のヒロシマ弁「おとったん、ありがとありました」で 観ているこちらも嬉しくなるのでありました。
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ドラマW『祖国』

原作、脚本 : 山田洋次
監督 : 堀川とんこう
出演 : 上川隆也、マコ・イワマツ、木村佳乃、森口瑤子、高橋マリ子 他
公式サイト
WOWOWのオリジナルドラマシリーズの16本目。 今まで見た「センセイの鞄」「理由」「交渉人」など皆面白かったし、マコ岩松さんが出演するので予告観た時から放映を楽しみにしていました。 今回は戦後60年特別企画という事で、海外ロケなどしてかなり制作費をかけているようなので、劇場公開もそのうちあるかもしれませんね。 今回見逃した方はアンコール放送もあるはず。

出張である南の島を訪れた商社マン=小野寺(上川隆也)は現地人のパイロット=レオ(マコ・イワマツ)のプロペラ機で空港まで送ってもらう。 老齢ながら確かな操縦ぶりのレオに感心した小野寺は「日本に来たら是非訪ねてくれ」と東京の自宅と、故郷である”能登”を紹介する。 
3か月後、本当に小野寺を訪ねて来日したレオは能登へ行くと言い残し、姿を消してしまう。 実は彼は、第二次世界大戦中に戦場で米軍の捕虜となったものの脱走に成功し、余生を南の島でひっそりと送っていた能登出身の旧日本陸軍特攻隊員だった。 60年ぶりに訪ねた生家は荒れ果てていたが、そこで彼は信じられない光景を目にしたのだった・・・。
「生き恥をさらしては帰れない」当時の兵隊はそう教えられて戦場に向った為に、 日本人である事を捨てて生きる決心をした男の物語である。
マコ岩松自身も15歳で単身渡米し、苦労を乗り越えハリウッドで活躍する数少ない東洋人であるが、その深く刻まれた皺がこの役にぴったりでありました。
美しい南洋の島の自然に負けないくらいの日本人の美しい”心”!
山田洋次監督らしい人情話に素直に浸れる作品と思います。 
posted by マダムS at 08:36| Comment(12) | TrackBack(6) | 邦画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「父と暮らせば」ご覧になりましたか、この映画は4話に分かれていて月曜日・・火曜日・・など・・
私はあえて自分でタイトルをつけてしまいました。
最初のシーンは「父と娘」2話目「広島童話」3話目「娘の思い」4話「未来へ」・・全編広島弁で大変そうでしたね。あのシーンの中でお父さんの作る「じゃこの味噌」気になりました。どんな時でも食べ物のシーンが気になる私・・(笑)
「祖国」は残念!娘夫婦が来ていて見そこねました。
再放送!見なくては!!
Posted by ずも母 at 2005年08月15日 23:37
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★レスです〜♪    マダムS

>ずも母さん
お勧めありがとうございました! 去年から気になりつついましたが、今回の強力プッシュのお陰でビデオ屋に走りましたです。
ずもさまのタイトル!! 素晴らしいですね〜!もうぴったりですよ(^^)v おとったんのお芝居最高よね。 じゃこ味噌!!私も気になりましたです。確か作り方も言ってたよね^^もう一度見なくちゃです。
「祖国」はたぶん劇場でもやるんじゃないかな〜〜・・大林監督の「理由」もやったものね。
Posted by マダムS at 2005年08月16日 09:07
TBありがとうございます!
「美しい夏、キリシマ」を観ることにします。
「祖国」も観たいなあ。
Posted by peridot at 2005年08月16日 09:19
とうとう、ご覧になったんですね。
この作品は見た時に、色んな方にオススメしたかったけど
いかんせん上映館が少なくって
少しずつですけど陽の目見ているようで嬉しいです。
「美しい夏、キリシマ」もよかったですよね。
Posted by 更紗♪ at 2005年08月16日 10:53
コメントまでいただきありがとうございました。
『父と暮らせば』見逃しました。
14日だけの上映だったのに・・・
悔しくてレンタルビデオ屋に走ったら、置いてなかったし・・・
Posted by kossy at 2005年08月16日 12:31
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★レスです〜♪    マダムS

>peridotさん
peridotさんは昨年ご覧になっていらっしゃるんですね〜 わっ「〜キリシマ」夜のみ上映行かれますか!? 感想お待ちしております^^

>更紗さん
は〜い! 広島在住の更紗さんの感想は昨年からチェックしておりました♪ 遅ればせながらTBさせて頂きましたぁ〜 はぁ〜い「〜キリシマ」も良かでした。

>kossyさん
金沢在住でいらっしゃるんですね(^^)b
「祖国」のロケ地めぐり出来ますね♪
「父〜」品揃えの良いレンタル屋に置いてあるといいんですが・・



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Posted by マダムS at 2005年08月16日 22:51
もう既にビデオ等出ていたんですね。
前作の生き生きとした自然や生活の中での戦争を描いた「美しい夏キリシマ」も素晴らしかったですが・・・
舞台劇をそのままに、父と娘の情愛、健気なヒロインの心の葛藤に、ヒロシマ弁の台詞ひとつひとつに、より感情をわしづかみにされた素晴らしい作品でしたよね。幽霊というよりも娘の罪悪感とは裏腹な「幸せになりたい」っと思う願望が生み出した父という姿の幻影かと思うけど、原田芳雄の演技も台詞も素晴らしかった。最初は面白く、気がつくどんどんと原爆により生み出された一人一人の悲劇ににじり寄っていく・・・その迫力にも圧倒されました。
同じような思いを抱いた人々の思い・・原爆ドームにひっそりと咲く可憐な花のラストに涙が止まりませんでした。もしかしたら、目の前で愛する家族の命が絶たれるのを目に焼きつけ、こんな思いを抱いたまま自らも命を落とした女性は、亡くなっても尚ずっとこんな思いを抱いたままなのかも・・・。

『祖国』は、私もリピート待ちでございます。(^^;
Posted by ラクサナ at 2005年08月17日 09:21
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★レスです〜♪    マダムS

>ラクサナさん
なるほど、願望が生み出したとも言えるかもしれませんね〜♪ いつもながらラク様の洞察力には感服!
そうそう! 微笑ましい親娘の会話に思わず結構笑えるシーンもありましたよね^^
ヒロシマ弁!! 聞き取れないので慌てて字幕付けての鑑賞でございました!私はDVDで良かったかも・・(汗;)
誰かが亡くなった後に咲く花って生命力の象徴みたいで勇気もらえますよね、先日神戸の震災でのある女の子の生まれ変わりのように咲いた”ひまわり”の種が 今はボランティアさん達の活動により、世界中の被災地などに配られ、そこに暮らす人々の明るい希望の象徴になっているという話を某TVでやっていたのを思い出しましたです。
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Posted by マダムS at 2005年08月18日 06:50
>マダムS様
洞察力なんてとんでもごじゃりません。m(__;)m
神戸の震災からのひまわり・・・いいお話ですね〜。お花の中でも特にひまわりは、太陽に向かって咲き、身の丈も大きく、本当に生まれ変わりのようで・・某映画も思い出しますが、明るい希望と共に涙も誘いますよね。
そのTV番組は未見ですので、ちょっと調べてみました。http://www.nhk.or.jp/kobe/shinsai10/hv.html
はるかちゃんのひまわりっていうんですね〜!?ひまわりの好きな可愛い少女だったんだろうな〜(・・。
Posted by ラクサナ at 2005年08月20日 10:39
>ラクサナさま〜
そうそう!まさにこの”はるかちゃんのひまわり”の事です〜♪ 
私はフジTVの「アンビリーバボー」http://www.fujitv.co.jp/index.html で8月11日放送分を観たんですが、やはり色んなTVで紹介されているんですね〜 おねえさんのいつかさんのエピソードも泣かせてもらいました。 大事な人を亡くした悲しみはいろんな形で出てくるんだなと・・
Posted by マダムS at 2005年08月21日 10:32
「父と暮らせば」についてコメントします。
いかにも井上ひさしの原作らしい演劇的な作品でした。
黒木監督の戦争を描いた晩年の4つの作品をみると、どれも地方を舞台にして、その土地の言葉にこだわりをもっているのがわかります。
独特の作風をもった監督でしたね。
Posted by syunpo at 2007年04月22日 09:39
★syunpo さん
こちらにもコメント有難うございます♪
黒木監督の4部作とも言える戦争をテーマにした作品たちの3作(紙屋悦子も)まで観ましたが、どれも素晴しかったですね。
土地の言葉を大事になさっているのがとても好感持てますね。DVDで字幕をつけて鑑賞したのが思い出されます。
Posted by マダムS at 2007年04月22日 15:30
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