2008年01月05日

『その名にちなんで』 @日比谷シャンテ・シネ

原題:「The Namesake」 2006年アメリカ
その名にちなんで.jpg公式サイト
今年の劇場初鑑賞作品となります。

ニューヨークに暮すあるインド系移民家族の30年に渡る物語です。原作者も監督もインド系の女性。自らの体験に裏づけされたしっかりとしたストーリーテリングと、女性らしく優しさに満ちた家族の物語でした。


監督:ミーラー・ナーイル「モンスーン・ウェディング」
出演:カル・ペン/タブー/イルファン・カーン/ジャシンダ・バレット/ズレイカ・ロビンソン
原作:ジュンパ・ラヒリ著「その名にちなんで」(新潮社刊)

その名5.jpg
<あらすじ>****インドで見合い結婚しアメリカに移り住んだアシマとアショカ。故郷とは何もかもが違う生活にたちまちホームシックになる妻アシマを優しく支える夫アショカだったが、やがて男の子を授かりゴーゴリと名付ける。 その名はアショカが大学時代に遭遇した列車事故で救助され一命を取り留めた際に目印となった本の作者の名前だった。やがて成長した息子は自分の名前がロシアの天才作家だが、稀代の変人だった事を知り、名前を変えたいといいだす。*********

 観終わった後の不思議な満足感で、場内が明るくなるまで席を立たなかったのは久しぶりかも。。気が付いたら売店でしっかとパンフと原作を購入してましたexclamation

 インドで生まれ育った親の世代と、アメリカで生まれた子供たちとの間の”ジェネレーション・ギャップ”と言うとあまり珍しくはないテーマかもしれませんが、この作品では異国の地で支えあいながらゆっくりと育まれていく夫婦愛がとても丁寧に描かれているので、「移民家族の苦労話?」と割り切れるような単純な作品ではなかったです。もっと普遍的なしみじみとした家族愛の話でした。 見合い結婚でお互いを何も知らないまま結婚したとしても、時間をかけてゆっくり育てていく夫婦愛の尊さと、親が子供に託す思いを次第に理解する子供(ただ大概は気が付いた時は時遅し!もうやだ〜(悲しい顔)なんですがもうやだ〜(悲しい顔))その親子愛の2本柱ですね。

 インドの伝統的な風習など私達はあまり知る機会がないですけれども、結婚式やお葬式の前後のシーンなどや、息子の金髪白い肌の彼女とのくだりあたりで違いが浮き彫りにされていきます。コルカタ(カルカッタ)とニューヨークの街のごちゃごちゃ感は「驚くほど似ている」とか監督がおっしゃっているようですが、それは街の雰囲気というだけで、やっぱり自由の国アメリカと伝統に縛られるインドでは天と地ほどの違いがあると私には見えますたらーっ(汗) あ、もしかしたら監督はそれがいいたかったのかもしれませんねぇ〜

 親の世代が他の移民たちと同じく、同じ人種同士でコミュニティを作ってその狭い社会の中だけで暮してしまっているのをどうして?と思いつつ見ていると、アメリカ生まれで気持ちはアメリカ人なのに、外見はどうしても差別の対象となるという厳しい現実にとまどう息子たちの世代もさりげなく描かれ、ああそうか・・などと思うのでした。

 原作は映画のタイトルどおり「何かにちなんで付けられた名前」という意味になるでしょうか・・まさに父親が九死に一生を得た経験から息子へ強い思いを込めて名付けたわけですが、それがわかるのは・・ってな話です。んでもアメリカ育ちの現代っ子の息子が、そんな両親の祖国を誇りに思うようになる後半などはやはり泣かされました。

 母親役のタブーは本国インドでは人気女優さんだそうで、本当にお綺麗で可愛らしいです! 10代から40代までを上手く演じわけていましてなかなかの実力派みたいですね。 ダンナ様の大きく深い愛に答え、祖国への郷愁を胸の奥にしまい、良き妻で母として務めた数十年を演じた彼女は素晴しかったです。 それゆえラストシーンも自然に彼女に共感出来たのだと思いますね〜 


★久々の銀座!有楽町の駅前が変ってるー! そんなに来てなかったんだ私。。 あの果物やの前の小さな映画館は何処へ!?
日比谷シャンテも実に8ヶ月ぶり!(「クィーン」以来じゃあせあせ(飛び散る汗)) いつの間にTOHOの傘下になったの? スクリーンで宣伝はするし、売店でパンフを入れてくれたのはあの赤いビニール袋!! どうりで最近シャンテでやる映画を川崎で結構観れていたなぁ? そうなの?
posted by マダムS at 18:23| Comment(8) | TrackBack(7) | アメリカ映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この作品は衝撃的だったりするわけではないのに見終わった後、なんともいえない感動に包まれて、私もしばらく席を立てませんでした。うわ〜原作が売られていたのですね。私も探してみます。
あら?そうだったのですか。TOHOの傘下になっていたのですか。しょっちゅう行っているのに気づきませんでした(笑)
Posted by Cartouche at 2008年01月08日 16:48
★Cartouche さん
>なんともいえない感動に包まれて
本当に私もそうでした!
今年早くもMyベスト10入りしそうな作品に出会ってしまいました♪
原作は文庫本が劇場の売店で売られていましたよ〜 
TOHOとの関係はどうなんでしょうね
私もシャンテに行ったのは昨年の4月以来だったので、その後の事だと思いますが・・(^^;)
Posted by マダムS at 2008年01月09日 22:35
なますて。
感動巨編でございましたね。
エキゾ好きとしては、心躍るエンタメ要素にもあふれ。
でも、やはり一般的には、いんど人もの?には関心が薄いのでしょうか。
水曜のシャンテシネにしてはすいていましたわ。
シャンテシネってそう、ふと気づいた時に、TOHO系という認識がありました。
以前は無関係だったんですっけ?
原作は図書館で予約しましたー。
原作は、アシマが主体ではないみたいですねー。
Posted by かえる at 2008年01月17日 00:10
★かえるさん
なますて〜♪
そうそう! 今までのエンタメちっくなインド映画とは一味も二味も違った展開だなぁと思っていたら、やっぱりマサラムービーには絶対欠かせぬダンスなどもほんのちょーっとだけ遠慮がちに入ってたのがなんだか微笑ましかったりしてね。私は正月の初水曜でしたが7〜8割の入りだったかな。
観てる人少ないですよねー(^^;)
うーん、以前はどうだったかなぁ>TOHO
久々に来たらアカラサマだったというだけかも??
原作まだ読み終わらない(笑;)んですけど出だしはアシマが主体でしたよ〜? 途中から息子になるのかしら。。図書館の早く回ってくるといいですね♪
Posted by マダムS at 2008年01月17日 16:37
こんばんはー、ご無沙汰していました。
今年もよろしくです♪
私は、この映画金曜日にみましたので、結構込んでました〜
なんか、大国の視点じゃなくて、きちんと移民側の監督が作品を作っているのが良かったです。「迷子の〜」もそうですが、やっぱりその国出身の監督が、その国の人を描くというのがリアリティがあって面白いですね。
これからは、こういう作品が増えそうな予感がします♪
Posted by JT at 2008年01月18日 01:09
★JTさん
こんばんは〜 こちらこそご無沙汰ですみませんでした。今年もよろしくお願い致します。
混んでましたか?口コミで評判が広がってきていると嬉しいな♪ロングランになって欲しいですね。
そうですね、これからも大国は資金は出しても口は出さないで良い作品を世に送り出して欲しいですよね。 
最近益々数ヶ国の合作というのが増えてきて、記事を製作国別カテゴリに分けづらくて悩むようになってきましたが・・(^^;)
Posted by マダムS at 2008年01月18日 22:59
マダム、遅くなりました〜!
なんか勘違いしてコメントさせていただいたとばかり思っておりました・・・

私は原作を読んでいる時もほとんどお母さんのアシマに感情移入して読んでいたのですが、映画では完全にアシマになりきってましたです・・・
息子世代の話は映画ではかなりはしょられてましたしね。

なんかしみじみいい映画でございました♪
Posted by jester at 2008年02月04日 19:06
★jesterさん
おお!コメントわざわざ有難うございます!
昨日気づかずごめんなさい!最近コメントがすぐ反映されない状態がずっと続いてまして・・Σ( ̄ロ ̄lll)
しみじみいい映画でしたよねぇ〜本当に。
原作もいまだちびちび電車の中で読んでますが(まだ終わらないのかっ!) jesterさんがおっしゃっていらした通り、文化風習のまったく違う異国で暮らす心細さとか、本当に細やかに丁寧に描いていて女性は特に感情移入してしまいますよねー。何度もウルっとしながら読んでます。やはり主人公はアシマですよね!
Posted by マダムS at 2008年02月06日 07:34
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