2008年01月16日

『レンブラントの夜警』@新宿テアトルタイムズスクエア

(原題:Nightwatching)2007年カナダ・フランス・ドイツ・ポーランド・オランダ・イギリス合作映画
夜警.jpg

監督・脚本:ピーター・グリーナウェイ
出演:マーティン・フリーマン/エミリー・ホームズ/エヴァ・バーシッスル/ジョディ・メイ/トビー・ジョーンズ

公開一週目、水曜初回上映・・満席!でしたたらーっ(汗) ココでしかやってないんだものね・・あせあせ(飛び散る汗)

***<あらすじ>17世紀オランダ。肖像画家として成功を収めたレンブラントは、富と名声、さらに待望の男子まで授かり、まさに人生の絶頂にいた。ある日、彼の元にアムステルダム市警団の肖像画の依頼が舞い込む。下調べのために団員たちに近づいたレンブラントは、金と欲望にまみれた彼らの実態を知る。
「コックと泥棒、その妻と愛人」などの鬼才ピーター・グリーナウェイ監督が、画家レンブラントが転落するきっかけとなった名画“夜警”の謎に挑むミステリー(eiga.comより)*****

 画家ものは好きなので過去に何本か観てきた。古いところではジェラール・フィリップのモジリアニ『モンパルナスの灯』(最近ではアンディ・ガルシアも演じてたかな/未見)、アンソニー・ホプキンスのピカソ『サバイビング・ピカソ』、メキシコの女流画家フリーダ・カーロの壮絶な半生を描いたサルマ・ハエックの『フリーダ』、レンブラントと同時代に活躍したやはり同じオランダの画家フェルメールをコリン・ファースが演じた『真珠の耳飾りの少女』などなど・・。 天才と言われる画家本人に負けじ劣らぬ強烈な個性を持った俳優が演じどれも見応えある作品だった。 

 特に『フリーダ』などは監督がブロードウェイで活躍する舞台演出家でもあるジュリー・テイモアで、カラフルな民族衣装が目に楽しく、登場人物のキメポーズがそのままフリーダの描いた絵画になったり、その逆に絵画が動き出して彼女の心象風景を表したりと、映画的な表現で十分に楽しませてもらった作品。
 『真珠〜』の方もタイトルにもなったその有名な絵画のモデルになったと言われる少女とのエピソードを、窓から差す光の具合など正にフェルメールの作品を観ているような錯覚を覚える素晴しいショットの数々で大いに感銘を受けたのも記憶に新しい。

 さて、今作は生存中に絵が売れ成功し裕福だったレンブラントが、何故幸福の絶頂から破産、一気に階段を転げ落ちるような転落の人生となっていったのか!? 彼を学生時代から研究していたと言うやはり過去に個性的な作品を世に送り続けている鬼才ピーター・グリーナウェイが、その原因は代表作『夜警』の描き方にあると推理して作り上げたフィクションである。 この監督の作品は以前に2本ほど観たが、そのグロさにちょっと引けてしまいつつ、その独特の世界感にやはりただものじゃない才気を感じて平伏すしかない。ある種デビット・リンチ作品に抱くような恐れと好奇心に似たものを感じますね。。

(ここから多少ネタバレを含みます) 
 台詞回しも役者の立ち位置、大道具の配置にいたるまで正に舞台劇。
暗闇に差す光の中で動き出す登場人物たちが、『夜警』の絵がそのまま動き出す活人画のようなシーンには思わず引きこまれた。(パンフによると、他にもレンブラントの作品そのままのシーンがあったらしい・・知らずに観て残念たらーっ(汗)
最初はちょっと芸術家らしからぬ饒舌なレンブラントに戸惑いつつ、段々にそのサスペンスフルな展開に引きこまれ・・ いややっぱりこんなに正義感に溢れる画家なんているのか!?なんて首をかしげつつ、権力者の悪行を暴いてしまったしっぺ返しは強烈で、陰湿な報復ですべてを失って行く天才画家の行く末にすっかり同情していた。妻にも息子にも先立たれすっかり財産も失い失意のまま亡くなったレンブラント(当時としては長生きの63歳で他界)だが、その原因が監督の推理通りだとすれば権力に楯突くものの末路哀れで大変気の毒!!

 レンブラント役を大熱演(含すっぽんぽん)のマーティン・フリーマンは『ラブ・アクチュアリー』(そういやぁこれでも脱いでた)でお初でしたが、その後『銀河ヒッチハイク・ガイド』で面白い役者だなぁと思っていたら、この人、舞台でも活躍してるんですねぇ・・なるほどです。
三谷幸喜の2人芝居「笑の大学」のイギリス版「ラスト・ラフ」の作家役を演じているのをTVの予告だけ(笑)で観たけれど、日本版が好きな私でも彼ならピッタリと思っていたのでした。
posted by マダムS at 23:29| Comment(10) | TrackBack(1) | その他のヨーロッパ映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
やっぱりね。
鑑賞予定には入れてますが、今週はめちゃ込むだろうと、見に行くのを避けました。
Posted by MACHI at 2008年01月17日 08:50
★MACHIさん
平日の昼間なのに、すんごい混みようで驚きました! 走りましたよ駅から。デパート開店と同時に中でも走りました! だってあそこ後ろの方じゃないとね・・Σ( ̄ロ ̄lll)
早く感想書きますね あっ「シルク」も書かなきゃΣ( ̄ロ ̄lll)
Posted by マダムS at 2008年01月17日 17:07
ちなみに、こちらにもお邪魔を。

映像が大変すばらしかったのですが、もっとシンプルに描けるのをわざとまわりくどく、グリーナウェイ調のグロテスクな演出が、好き嫌いがわかれるのかなあと。

実は私シルクと比較するとこっちは苦手WWW・・・でも見ごたえのあるゴージャスな作品でしたよね。光と影の映像がそのままレンブラントの絵画で、美術館で過ごしたような気分になりました。
Posted by マヤ at 2008年01月20日 18:32
★マヤさん
うーん、やっぱりグリーナウェイは好き嫌い分かれるかもしれませんよね〜
芝居がかり過ぎるのもちょっと気になったといえば気になったし、カタカナの長い名前オンパレードで正直誰が誰やら最初は整理付かなかったです(爆)
確かに美術館で過ごしたような気分で、劇場で観る価値はある作品だと思いましたね〜
Posted by マダムS at 2008年01月20日 21:54
こんばんはー。
やっと今週観てきました。
テアトル系は3日前からチケットをネットで予約できると1ヶ月ほど前にやっと知りまして、E列(後方ブロックの最前列)の真ん中へんをとれて大満足でしたー。
ホラー系の血・内臓は好きじゃないんですが、芸術的な香りのするエログロ世界は大好きなもので、わくわくしながら観てしまいましたー。
でも、途中で出ていくおばさまなどもおりまして、混んでいるわりには満足して帰る人は少ないだろうなぁってなカンジでした・・・。
Posted by かえる at 2008年02月01日 20:54
★かえるさん
お!ご覧になりました?
途中退場された方などはやはり純粋にレンブラントの絵を楽しむようなつもりで観にいらしたのかしらねぇ〜〜 ちょっとあの監督の手法には驚かれてしまったのかしらん。。 
舞台劇のような面白さがあったと思うんだけど。わくわくしましたよね♪
そちらにも伺いますね!
Posted by マダムS at 2008年02月02日 10:00
こちらにもコメントを・・・。
先週見てきました。
私も結構画家ものはすきなので・・・。
そうそう「フリーダ」は色彩も生き方も強烈でしたねっ。
「真珠の〜〜」はファンになったコリン・ファースを見たさにと以前美術展で一枚だけ、フェルメールの実際の絵を見ていたので・・・。
窓際から差す光を上手く使っての描き方など、良く分かって良かったと共にほんと素晴らしい作品でした。コリンのフェルメールもとても良かったし・・・。

で、レンブラントは偉大な画家とは知っていたけど、人生諸々のことは知らなかったので、大胆な推理と人間くさいレンブラントを見て、身近に感じられたのとで、面白かったですねぇ〜。
ちょっとあっけにとられた感は否めないけど・・・。
でも、まるで舞台を見ているみたいだし、
画面は油絵みたいで、楽しめました♪
これこそ大きなスクリーンで見る価値がありますねぇ〜!
帰りに13階まで行って、等身大の「夜警」を見てきましたが・・・。
Posted by 紫の上 at 2008年02月03日 21:27
こんにちはー。
あ、私もLADYの日の初回で見ましたよ。もう最初の頃の混雑振りはおさまった?のか、少し空席がありましたです。
あの大きいスクリーンは後方がいいですね;でも前方ブロックの一番後ろの真ん中で見れたので満足でした。
フェルメール@コリンの色気にはぼーっとしましたし、ガラヴァッジオ@ナイジェル・テリーにはぐーっと惹き付けられたのですけど、レンブラント@マーティンには視線をどうしたらいいか戸惑いました。爆
ホプキンスはピカソだったのですか。へー
なにわともあれ、絵画な映画を堪能致しましたです。途中まぶたが抱き合いましたけど;
Posted by シャーロット at 2008年02月04日 17:15
★紫の上さん
そうそう! 「フリーダ」の時も「真珠〜」の時も紫の上さんとお話しましたよね〜〜
フェルメールとレンブラントはほとんど同時期なんですけどね〜交流はなかったんでしょうかね? 光と影のコントラストが二人共絶妙ですよね。
で、こちらのレンブラントは確かに人間臭かったですね(笑) 芸術家にしては良くしゃべるし・・(^^;) でも絵画の裏に隠された秘密!なんていうとつい興味津々ですし、やはり音楽でも絵画でも作家の人生と照らし合わせながらの作品鑑賞ってより理解が深まると思うんです。そういった意味でも面白かったです。
あーそうなんですってね!その実物大の「夜警」見損ないました〜〜残念〜〜13階だったんですかー
Posted by マダムS at 2008年02月04日 21:01
★シャーロットさん
こんにちは〜ん。
お、だいぶすいてきましたか!?なんせあそこしか上映してないんですものね〜集中しますよねぇ・・ 前方ブロックというと結構見上げる体勢になりません?私、以前その体勢でみて、次の日から一週間接骨院通いした苦い経験があるんで(爆)映画観る時には絶対見上げる位置には座らないんです。。くく。。Σ( ̄ロ ̄;;) しかも背中が倒れてると瞼が抱き合うじゃないでつかーー(爆)
ぶぶ・・ほんと、マーティンには視線に困りました〜〜さすがイギリス俳優!性根が座ってます(笑)
あーっそうだわ〜〜カラヴァッジオを見て無いんですよーー気になってたんですががが。
ホプキンス爺のピカソもなかなか良かったですよ 幾つになっても恋する爺。。
Posted by マダムS at 2008年02月04日 21:08
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『レンブラントの夜警』★★★★☆
Excerpt: あたしの好きなピーター・グリーナウェイ監督の最新作『レンブラントの夜警』がいよ
Weblog: 新・パンダは命の恩人です。
Tracked: 2008-01-22 18:09
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