2005年10月18日

ロマン君にはまって『ガッジョ・ディーロ』

ガッジョディーロ.jpgガッジョ2.jpg

ロマン・デュリス主演の1997年作品をDVD鑑賞しました。 
彼目当てで見たお陰で巡り会えた”素晴らしい作品”でしたのでご紹介♪
『パリの確率』でちょっと気になってから彼の出演作を何本か鑑賞し、今回『ルパン』でいたく感心、『真夜中のピアニスト』ですっかりはまって再び”過去作品の旅”に出ております。

『ガッジョ・ディーロ』
1997年 フランス/ルーマニア
監督・脚本・音楽: トニー・ガトリフ
出演: ロマン・デュリス 、ローナ・ハートナー 、イシドア・セルバン
1997年ロカルノ国際映画祭豹賞、全キリスト教会賞、
1997年モントリオール世界映画祭特別賞受賞 他


<あらすじ>
"ガッジョ・ディーロ"とは ロマ(ジプシー)語で”よそ者”の事。
パリからやってきた青年・ステファンは、 父親の遺したジプシーの歌のテープを頼りにその声の主でノラ・ルカというルーマニアの幻の歌姫を探して旅を続けていた。 やがて彼はイジドールという老人と出会い、彼に招かれるままロマの村にたどり着くが、 "ガッジョ・ディーロ"と呼ばれ、 村人達には冷たくあしらわれてしまう。
しかし、何故か彼を引き止めて離さないイジドール老人は、実は息子を無実の罪で囚われてしまったばかり・・ステファンは次第に言葉は通じなくとも、老人と心を通わせ、そして村の子其達や女達からも愛されるようになり溶け込んで行く。彼らの質素でたくましい生活、 魂の叫びのような歌と踊りなどに触れ、彼の中で確実に何かが変わっていった。

<感想>
かなりネタバレしてますが、内容を知っても作品鑑賞のさまたげにはならないと信じて・・


もともと音楽に溢れた映画は大好きですが、これは全編ロマ(ジプシー)音楽に彩どられ、あまり知られていない彼らの真実の姿にひと時触れる事も出来た貴重な時間でした。 監督は自らロマの血を引くフランス人=トニー・ガトリフ 。暖かさの中にも差別に対する悲しみをさりげなく取り入れた『僕のスウィング』も良かったですが、自らのルーツにこだわる監督のライフ・ワーク=マイノリティーを描いた作品の集大成とも言われる新作『愛より強い旅』(お正月日本公開)も 益々楽しみになりました。

最初”よそ者”扱いされる青年が天性の明るさと親しみやすさで(これは演じたロマン君のキャラクターがぴったりはまった)村人達と心を通わせるようになるロード・ムービーであり、青年の成長物語であると同時に、差別的な世間から身を守る為に自分達だけのコミュニティーを作っている彼らロマ人こそが、他国の中では何処へ行っても”よそ者”である悲しみに気づかされる話なんですよね。彼らの音楽は実はその魂の叫びである事に青年も次第に気づき、
能天気に彼らに歌わせて録音したテープを最後はある方法で葬り去るのです。

プロの俳優は主役のデュリス君と、彼と恋に落ちるロマの女性を演じたルーマニアの女優さんだけ。後はロケ地に本当に住んでいるロマ人が実に表情豊かに演じてくれています。音楽という素晴らしい自己表現を持つ彼らですから、演じる事も難儀じゃないのかも。村の長老役のイジドールさんも本名で出演、彼のホラ話にはほんと腹も立たず何か突き抜けてしまいますね^^ 喜怒哀楽を体全身使って表現する彼ら・・それが彼ら特有の歌になり、踊りになって人の心を打つのですが、それが唯一の生活の手段(ちゃんとした職業にはなかなか就けないから)と思うと切ない限りです。今でこそハンガリーやルーマニアに定住地を持つ彼らですが、歴史的にはユダヤ人と同じ流浪の民である事に変わりないという事・・私の大好きなサリー・ポッター監督の「耳に残るは君の歌声」にも描かれていたと思います。

なんだか難しい話かな?と思われるかもしれませんが・・
実はテーマは深くとも全編音楽とユーモアに溢れた愛すべき作品♪

posted by マダムS at 14:57| Comment(14) | TrackBack(2) | フランス映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちわ。私は今日はベルベット・レインをみてまいりました。
それから、URLが変わりましたので、ご報告。
http://jester.seesaa.net/
に引っ越しました。
また遊びに来てくださいませ。
Posted by jester at 2005年10月18日 17:36
>jesterさん
URL変更のお知らせ有難うございました♪
早速お気に入り登録済ませました^^
これからもどうぞよろしく〜♪
Posted by マダムS at 2005年10月19日 08:09
私はこの作品で、ロマン君を知ったように思います。素晴らしい作品でしたね〜。
よそ者として来たロマン君は、最後には自分もロマの仲間に・・・そんな気もしたラストだったような・・・。しかし、あの爺様の存在感は全く凄かったですね〜!
ロマン君では、その後『青春シンドローム』や『パリの確立』等で、惹かれ続けました。あの頃はまだヘアーが爆発していたような・・!?(笑)
『ルパン』は劇場で見逃しましたが、『真夜中のピアニスト』は、是非観たいです。
なにげにロマン君って、私の中ではガエル君と被る気がするのです。(#^.^#)
Posted by ラクサナ at 2005年10月19日 23:45
>ラクサナさん
お早うございま〜す♪
思えば「パリ〜」のお薦めをラク様より受けてからでしたよ〜ロマン君との出会いは! 
爆発ヘアーは最近止めて・・すっかり大人の男になった”ピアニスト”のロマン君!是非堪能なさって下さいませ♪
ガエル君と!?うっ考え付きませんでしたがぁ〜でもあの「天国の口〜」の天真爛漫な笑顔とは被るかもね^^ 
Posted by マダムS at 2005年10月20日 08:38
マダム、ロマン君制覇中ですね?
私も先日「ルパン」を観て来ましたが 今までに無いロマン君を観て
ちょっと目から鱗状態です〜
トニー・ガトリフ作品にハマっていた頃観たこの作品なんですが
ロマン君の雰囲気がすごく良かったです。
あの笑顔に主人公と同じ人の良さが出ていて
素のロマン君も この主人公のようにイイ奴なんじゃないかって思いました。^^ゞ
酔っ払ったおじさんに翻弄されるシーン、温かくて楽しかったですよね。

そうそう この監督とロマン君のコンビで「愛より強い旅」が公開されますね。
もぉ 今からすごく楽しみです!
「真夜中のピアニスト」もDVD待ちになるけど楽しみ〜♪
Posted by カポ at 2005年10月20日 23:44
>カポさん
「ルパン」ご覧になったのね〜♪ はい!制覇中です♪ 
こういう柔軟な精神を持った青年っていいな〜と思いまして・・。何処へ行ってもすぐに友達作っちゃうタイプってウチの家族にいないもんで、羨ましく眺めてました。
そうなの、「愛より強い旅」も楽しみで、多分また渋谷まで行っちゃうと思います♪
Posted by マダムS at 2005年10月21日 07:50
マダムSさん、何回もコメントしてごめんなさい。
このDVD、これから見ます。教えてくださってありがとう!
Posted by jester at 2005年10月21日 09:12
>jesterさん
いえいえ!ごめんなさいだなんて とんでもない! 何回だってコメントして下さいませ〜♪
大歓迎ですぅ〜♪ お?これも観て下さるんですか!?嬉しいなぁ〜感想お待ちしています^^
Posted by マダムS at 2005年10月21日 22:07
ぼんそわっ。
きゃー、ホントによかったですよねぇ。コレ。
前に鑑賞した時の私の目は節穴でした・・。
もう一回借りてみようかなぁ。<買えばっ
この女優さん、先日タラフのLIVEかなんかでさいたまに来ていたんですよね。

私の初ロマンくんはたぶん『猫が行方不明』かなぁ。
クラピッシュ監督作品が好きなのでナニゲによく観てました。
フランス映画祭後には、『ドーベルマン』の再見までしちゃったし。
あ、『惑い』も観なくてはー。
と、マダムSさんと共にロマン Yearな私です♪

東京国際映画祭は私には無関係に終わりそうですが、
とりあえず明日は関連上映のジャック・ドゥミものを観ます♪
Posted by かえる at 2005年10月28日 01:43
>かえるさん
お帰りなさいませ〜♪旅行記のアップ楽しみにしております〜♪
「ガッジョ」私も購入するかどうか迷ってます!
あら・・来日されていたのね?この女優さん!
DVDの特典映像にライブで歌っている彼女が入ってますが、あれは違うのかな・・・
クラピッシュ、日本でも人気ありますよね 2,3年ほど前のフランス映画祭で来日されてませんでした?「ドーベルマン」も見なくてはと思ってますっ! ご一緒にロマンYearを楽しみませう♪
Posted by マダムS at 2005年10月28日 10:52
12月にも真夜中のピアニストより前に撮影したのが公開になるんですね。
なんで、マイナー公開ばっかりなんでしょうか。

http://www.ai-tabi.com/
Posted by MACHI at 2005年10月30日 20:24
>MACHIさん
そうなの!「愛より強い旅」
上の記事部分でも騒いでますが とても楽しみにしてます。 「真夜中のピアニスト」観た時に予告編も観れましたよん♪
Posted by マダムS at 2005年10月31日 08:22
 『愛より強い旅』試写を見てまいりました。
ロマン・デュリスは『ガッジョ・ディーロ』の頃と比べて大人になった気がします(当たり前ですけど。 (^_^;) )。
 ロマン君やルブナちゃんその他についての感想はまた一般公開のころに回すことにして、今回はガトリフ監督という人の意義について浮かんだ考えを書いてみました。評論としては単純すぎて、ブログとしてはゴテゴテしすぎというものになってしまいましたが、(^_^;) ご笑覧いただければ幸いです。
Posted by raidaisuki at 2005年11月02日 17:10
>raidaisuki さん
TB&コメント有難うございます♪
raiさんの”ガトリフ監督論”読ませて頂きました! これは『ラッチョ・ドローム』『ベンゴ』も観なければ!!と思いました。
鑑賞によって諸外国の文化や歴史に興味を持つきっかけとなるような映画は 何より人の知的好奇心を満足させてくれますよね。
そういった意味でもこの監督の他作品も鑑賞した上で「愛より強い旅」に挑戦してみようと思います。
Posted by マダムS at 2005年11月03日 00:34
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Excerpt: EXILS, DE TONY GATLIF  わたしは映画の題名に「愛」が入ってるとみんな同じに見えてしまうという困った人ですが (^_^;) これはあのトニー・ガトリフ監督の新作ですからしっかり見..
Weblog: フランス語系人のBO-YA-KI
Tracked: 2005-10-27 08:42

トニー・ガトリフ監督の歴史的意義
Excerpt:  トニー・ガトリフ監督の新作EXILS 『愛より強い旅』、試写会見てきました。  会場は「映画美学校第二試写室」というところです。ふーんこういうスペースがあるんですね。  12月中旬からロードショー..
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Tracked: 2005-11-02 16:58
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