2008年02月11日

『潜水服は蝶の夢を見る』 @109シネマズMM

(原題:Le Scaphandre et le papillon)
潜水服3.jpg

内容はもちろん、映像も音楽もすべて満点! 
☆5つ!言う事なしでおそらく今年のMyベスト10に間違いなく入るでしょう。
原作:ジャン=ドミニク・ボビー「潜水服は蝶の夢を見る」(講談社刊)
監督:ジュリアン・シュナーベル
出演:マチュー・アマルリック/エマニュエル・セニエ/マリ=ジョゼ・クローズ/マックス・フォン・シドー/アンヌ・コンシニ
撮影:ヤヌス・カミンスキー
潜水服6.jpg
 人気ファッション誌「ELLE」の編集長として華やかな生活を送っていた氏が、ある日突然脳梗塞からロックド・イン・シンドローム(閉じ込め症候群)に陥り、全身が麻痺してしまう。。動かせるのは眼球と瞼だけ。しかも傷つかないよう右目は縫い合わされてしまう。 タイトルの”潜水服”とは時代物の鉛のように固く重い潜水服に閉じ込められた自分の状態を言うのだと次第にわかってくる。 まだ43歳、男の働き盛りで人生の絶頂期。 女性にもかなりモテた色男だったようだが作業療法士や言語療法士がどんなに美人でも、今となってはもう手も出せず、愛する子供たちを抱きしめる事すら出来ないもどかしさ。 
 そんな状態をカメラが主人公の唯一自由になる”左目”となって捉えていく手法が普通なら難しい「その人の身になって」考える感じる手助けになっていて効果的だった。 そのままずっとその状態だと観客は10分でもキツイのに、本人は目覚めている間はずっとそうなのだなあと理解出来る。 
 コミュニケーションをとる方法としてアルファベットを使う頻度順に読み上げてもらい、瞬きの合図で一文字ずつ言葉を紡いでいく気の遠くなるような作業で人とのコミュニケーションを取る方法を学んだ主人公が、次第に未来に希望を持ち始めるようになるところはなんだかとっても感動してしまったし、それを根気良く手助けした周りの人々にも心から感銘を受けた。絶望の底から蘇り「たとえ体は自由に動かなくとも、想像力と記憶があれば生きてゆける・・」、との言葉の美しさと重みはどんな偉い人の講演を百回聞くより説得力ありますね。 人間、どんな状況に陥っても愛情に支えられれば生きていけるというメッセージも見えて久々になんとも言えない感動を受けた。

 主演を演じたマチューを始め、彼の周囲の女性達、特に本作の原作である自伝の出版までジャン・ドーに付き添って言葉を書き留めた女性編集者のクロードを演じたアンヌ・コンシニ(灯台守の恋)などキャストすべてが良かった。 
今月末のアカデミー賞にも監督賞はじめ4部門にノミネートされており、是非その中の一つでも受賞して欲しい素晴しい作品だ。
posted by マダムS at 23:09| Comment(22) | フランス映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
マダムSさん、こんばんは。
お忙しいようですね。

MM、メチャクチャ混んでませんでしたか?
スワロもMMで見たんですけど、
開映50分前に劇場について、既に前方3列しか開いていない、と言われました(汗)

最期まで諦めることをしなかった
ジャン=ドーの生き様は素敵でしたよね。
なにかすごく印象的な出来事があったわけではないのに
静かに力強く生きる彼の姿が感動的でした。
Posted by swallow tail at 2008年02月14日 19:40
★swallow tailさん
わぉ! 同じMMでの鑑賞だったんですね!? でも地元で観れて良かったですよねー 東京まで行かずに済んで嬉しい♪
私は初日の午後一と月曜の同じ午後一と2回観ちゃったんですが、初日は滑り込みだったんで月曜の座席指定とってから帰りました。

>最期まで諦めることをしなかったジャン=ドーの生き様は素敵
まったくその通りですね。これは人生賛歌とも言える作品と思います。 コメント有難う〜そちらにも伺いますね(^^)
Posted by マダムS at 2008年02月14日 21:28
こんにちは
コメントありがとうございました。
いい映画でしたね。原作も読みたいです。
マチューも女性陣もよかったけれど
「愛されるために〜」のおじちゃんも
いかにもらしいお医者っぽくて好きでした。
ジャン=ドーの視線が女の人が近寄ると
胸元なのに、男の人が近寄ってくると
鼻毛のアップなのが、やぱ見てるところは
そういうとこなのねと感心したりしましたね。
Posted by mako at 2008年02月15日 10:05
おおお、既に二度ご覧になったとは!
私は例によってチネチッタでした。
一昨日はチケット発行のシステムが故障していて、なんと手書きの自由席券でした。
4時台の回ですいていたからよかったのですが。
すいていたおかげで、どっぷり浸って見ることができました♪
ホントに素晴らしい作品でしたねぇ。
夜になるまえにはそんなにお気に入りでもなかったんですが、今回はじゅりあんにノックアウトされ〜。
Posted by かえる at 2008年02月15日 12:46
★makoさん
お久しぶりです〜 こちらこそコメント有難うゴザイマス♪
や〜ほんとにいいもの見せてもらったという感じでまだ余韻に浸ってます。原作も読みたいですね。
どこかの国の難病催涙映画には全然泣けなくても トム・ウェイツとしーんと孤独な夜の病室だけで泣けてしまったり・・。
タンゴのおじちゃんもなんとなくひょうきんなお医者がはまってましたね(笑)
そうそう!やっぱりどうしたって女性の胸元に目が行くところなんて、オトコの気持ちが良く出てて笑えたり・・鼻毛なんて気がつきませんでしたがー!(爆)


★かえるさん
にゃにゃんと!手書きのチケットとは!!
なんだかチケット騒動続きますね?(^^;)でも、あまりギッチリ満席だと息が詰まるしで、適度な空き加減で良かったですね〜
「夜になるまえに」はジョニデの女装が印象的? ちょっと詩人なハビエルを初めて認識した作品でしたが。。 今回はまた本当に素晴らしい作品でしたよねぇ。
監督のファンになりそうですよ私も!
まだ余韻に浸ってます。まだもう一回位観たいし口コミで友人にも宣伝しまくってます。
Posted by マダムS   at 2008年02月15日 22:13
いやー、ホント素晴しい映画でしたねー!
今年の上半期のマイベストはこれに決まりかも、いや年間ベストも早々にこの作品に決定だったりして・・・!

>人間、どんな状況に陥っても愛情に支えられれば生きていけるというメッセージ
そうですよねー、本人の強い精神力と周囲の人々の温かい愛情があってこそですよね。
もし自分がそういう状況に陥ったら、己のへなちょこ精神では苦しさのあまり発狂してしまうかもしれませんー

それにしてもヤヌス・カミンスキーの映像は凄い。
氷山のシーンや世界を飛び回る風景などなど、ジャン=ドーの心象風景を見事に表現していましたよねん。。。
Posted by Puff at 2008年02月15日 23:56
うちのサイトに書き込みいただいてありがとうございました。

いよいよあの感動を分かち合えることができるようになってほんとにうれしいです。今、またこの作品の場面場面を思い浮かべているところです。

昨日「スウィーニー・トッド」を観ながら、あー、ジョニデってマチューの役をやるかもしれなかったんだなーと不意に「潜水服・・・」のことを思ってました。ジョニデもきっとよかったのだろうけど、あのマチューの繊細さは独特ですからね。

ほんとにいい作品でした。
Posted by nouilles-sautees at 2008年02月16日 01:06
ぼんじゅー。
ええっ、もう2回もご覧になられているのですねっ。
私は一般公開されたら何回か見たいと思っていたのに、なんだか忙しく見れなくて悶々としてまする;
「夜になる前に」もまあまあ好きですよ。ジョニーのオカマちゃんもなんか色っぽくて;
「バスキア」の方が絵描きの映画だったからそういう意味ではバスキアの方が好みかもですが。
でも、やっぱりフレンチテイストの本作は絶品ですねー。
まちゅーにちゅーしたい。笑
映画を見た後に牡蠣を食べて帰りたかったww

Posted by シャーロット at 2008年02月16日 13:52
★Puffさん
うんうん♪私も上半期どころか年間ベスト入りは間違いないし、ひょっとして生涯ベスト10に入るほど?人生観が変るほど?気にいったかもです!
私も同じこと出来るか?全然自信ありませーん!!
一日一日を大事に生きなきゃナ!と思ってみたり・・。 
色々色々考えることも多かったしで。
そうそう!カミンスキー氏の映像も感動しましたねー 崩れた氷山がリワインドするラストは鳥肌立ちましたものー。


★nouilles-sautees さん
そちらでは随分前にご覧になっていらっしゃるのですよね〜 感想お見かけしてたので飛んでお邪魔しました〜
ジョニデの話は私も知らなかったんですが、もちろん彼でも立派に役をこなしたでしょうね^^ でもマチューも素晴しかったしでフランス映画として製作して良かったのだと思いますです。
あーもう一度観てもいいかも・・。


★シャーロットさん
牡蠣ですよねー牡蠣!!美味しそうでしたね〜♪
彼のイマジネーションの部分もユーモラスで素敵でしたよね〜〜 
「夜になるまえに」はジョニデのピンクのセーターが妙に印象深く・・(笑)私も好きでした。 
そうそう!「バスキア」もずっと前に観てますわん 芸術家ってやっぱり繊細で風変わりだなーなんて思ったのでした。
マチューさんの幼い頃から青年期の本物の写真も楽しかったですね〜〜 
Posted by マダムS at 2008年02月16日 21:19
海を飛ぶ夢とは対照的ですよね。
年齢や生活状況、経済状態、医療制度などの違いで、どちらがどうとは言えませんけどね。
言語療法士さんはじめ、まわりに美人ばっかりいたら、気分も違う?(笑)
ブスばっかりだったらが気持ちが沈んで、がんばれないかも?
Posted by MACHI at 2008年02月18日 12:41
★MACHIさん
「海を〜」は やっぱり辛い話でしたものねぇ・・
ジャン・ドーも辛いのは一緒ですけど、あのように前向きになれたのも持って生まれたポジティヴな性格もあったかもと思います。
んでも、私も「あんな美人ばっかだったら頑張るよな」なんてチラっと思いましたわ。
Posted by マダムS at 2008年02月18日 20:16
マダム♪
お邪魔します!
もう2回もごらんになったのですね〜

>そのままずっとその状態だと観客は10分でもキツイのに、本人は目覚めている間はずっとそうなのだなあと理解出来る。 

そうそう、しょっぱなからあのヒゲ面のドアップで思わず目をそらしたけれど、ああ、彼は目をそらすことも出来ないんだな・・・と切なくなり、それからはいわれるとおり目をぱちぱちさせたり、舌を動かしたり、一緒になってしちゃいました・・・・

自分に与えられたものの多さと、これからそれをどう使うのか、真剣に考えさせられる作品でしたね♪
Posted by jester at 2008年02月20日 09:29
★jesterさん
そうなんですよ〜先日の連休の間に。
あの、患者さんの視点での映像は良かったですね〜 体が思うように動かないという辛さを一緒に体感出来て衝撃的でした。
すべての医療関係の方にも観てもらいたいかも。。
演じる役者さんはカメラに向かって演じているので、それも大変だったかもですね。
そうそう・・健康の有難さを知り、それを今後の人生に生かせたら良いのですけれども・・。
Posted by マダムS at 2008年02月21日 07:29
遅ればせながら、皆さんの評判がよいので見てきました。
見る前は「潜水服は蝶の夢を見る」変な題名だなぁ〜と食指が最初は動かなかったのですが、見て凄く納得。
見てみなければ分からないですねぇ〜。
いやぁ〜、今までにない映画といった感じですねっ。
あの心象映像には感動してしまったです!!
いや、もちろんストーリー・登場人物にもは間違いないです!
あんな状態では絶対落ち込んでしまうけど、
周りの人物も本当に根気よく介護するというか助けるし、
なんと言っても、あの状況での主人公のユーモアにはほっとさせられますよねっ。
生きる勇気をもらい、まだまだ自分は甘えていると反省させられたり・・。
素晴らしい作品でした!!!

最近、更新がストップしていますが、お仕事大変なのでしょうか?
心配しています・・・。
昨日のアカデミー賞はもちろんご覧になられましたよね?
Posted by 紫の上 at 2008年02月26日 20:20
★紫の上さん
きゃ〜いつもご心配下さって有難う〜
うーん、毎日帰宅すると頭がパーになってて、感想書く余力が残ってないのです〜〜(^^;)トホホ。スイマセーン(TT)
それでもアカデミー賞はしっかり観ましたとも!(笑)
 >生きる勇気をもらい、まだまだ自分は甘えていると反省
いや〜まったくその通り素晴しい作品でしたねっ!! 
今まで何気なく見過ごしていた、あるいはつまらなく思えたりした一つ一つの事や時間が物凄く大事に思えたりするんだろうな、と思ったりしますよね。
アカデミー賞に絡んでいたのに、一つも何も受賞がなかったのは残念です〜〜〜。

Posted by マダムS at 2008年02月27日 20:26
マダムSさま。
こんにちわー。お忙しそうですねー。って私もまたご無沙汰しておりました。

それにしても、左目だけでなんという存在感!なこの映画。ふいにイマジネーションに飛躍しても普通に受け入れることが出来たこの作品は素晴らしかったですよねぇ。そうそう、アカデミー、とってほしかったですよね。ちょっと残念。期待していた『juno』チームもメインはとれず残念だったけど、コーエン兄弟には楽しみです。

というわけでまたお邪魔しますー。
TB失礼しますね!
Posted by minori at 2008年03月02日 10:58
続けて失礼します…。
TB、今はオヤスミ中でしたね。
どうも失礼しましたー。
でもでもまた遊びにきますのでよろしくです。
Posted by minori at 2008年03月02日 11:00
★minori さん
こんにちは〜 こちらこそなかなかそちらに伺えませんでスミマセン〜
TBもスミマセン!ちょっとお休みしてます。

「潜水服〜」どれか一つ位は絶対オスカーも!と思っていたんですが、とっても残念です〜 他の賞は沢山とっているんですがね。
体は動かずとも、蝶のように軽やかにイマジネーションの世界を旅する様はとっても感動してしまいました。
「juno」は若い世代に支持されているようですね!私は元々好きなコーエン兄弟に期待してるんですが、これから続々公開ですね!
 
Posted by マダムS at 2008年03月02日 21:27
マダム、またお仕事始められたんですか?
私はちょっと部署異動がありまして、今めっちゃくちゃ忙しいんですよぉぉぉ・・・
でも忙しすぎると却って現実逃避したくなるってもんで、またまた遠出して観て来ました!
すごく良い映画だったとは思うんですが、やっぱり内容が重くて、観ていて辛い映画でした。
私や家族がもしこんな病気になったら、この映画の主人公みたいに前向きになれないだろうな〜って考えてしまって。
ただ、この映画に登場する医療関係者の皆さんは皆素晴らしかったですね。
何より患者に対して敬意を払ってる所が良いです。
わが国の医療関係者にも見習って欲しいですね。
Posted by nike at 2008年03月02日 22:31
こんばんは、マダム。
今年前半戦の白眉というべきですね。
シネマライズは意外や意外という感じで、すいてましたが。
「夜になるまえに」がその年のマイベスト1でしたから、当然今回も期待してました!ジュリアン・シュナーベル監督。やはり、ビジュアルセンスは、余人の及ぶものではありませんね。ハンディカメラのドキュメンタリーでは決して表現できない映像でした。こういう映画を観ると、「映画」でしか表現できない領域があることを痛感します。しかも、マックス・フォン・シドーが父親役なんて・・・。さらに「愛されるために、ここにいる」の2人が脇を固めているなんて。もちろん、音楽も完璧。全体の、くすんだ淡い色合いにも涙しました。素晴らしい作品でした。「ラスト・コーション」と2週続けてガツンと来ました!
Posted by けんけん125 at 2008年03月02日 22:40
★nikeさん
いらっしゃーい! そうそう!忙しい時ってかえってたまらなく映画観たくなりますよね!?観ないと余計ストレス溜まります(笑) 最近は部署変えでお忙しいのですねー?頑張ってね!! 私は昨年から短期の事務系派遣の仕事をボチボチ頂けるようになって、始まると忙しくて(^^;)
おお、遠征鑑賞されたのですね!!
大変重い題材でしたけれど、主人公のように前向きに考えられるのはやはり元気な時に精一杯人生を楽しんでいるから?などと思ったりしました。
そうそう! フランスの手厚い医療体制にもちょっと驚いたかも。日本もこんな風に出来るかどうかギモンですよね( ̄ ̄;)
Posted by マダムS at 2008年03月02日 23:55
★けんけん125 さん
こんばんは♪
素晴しい作品でしたよね! 私もおそらく今年のベストになる可能性大だと思ってます。
「夜になるまえに」も とても詩的な作品でやはり大好きな作品でした。
 >こういう映画を観ると、「映画」でしか表現できない領域があることを痛感
同感です! ”演劇”を越えた表現方法・・まさに映像で表現するのが「映画」だと改めて思います。
共演者も素晴しく、正に言う事なし!
数々の名場面が思い出されてきます。
「ラスト・コーション」と続けて心に残る作品に巡りあえてお互いに良かったですよねぇ〜
Posted by マダムS at 2008年03月03日 00:06
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