2008年04月24日

『つぐない』@横浜シネマリン 、ビデオ鑑賞『ジュリア』('77)

つぐない4.jpg

 アミン大統領に気に入られ、その立場から自分の迂闊な行動のせいで大事な人を何人も死においやってしまった野心家の青年医師マカヴォイは、その後、その一生をかけての「贖罪」は出来たのだろうか・・(注:映画が違いますパンチ

 『つぐない』 (原題:Atonement)2007年/イギリス
監督:ジョー・ライト
原作:イアン・マキューアン「贖罪」
出演:キーラ・ナイトレイ/ジェームズ・マカヴォイ/シアーシャ・ローナン/ロモーラ・ガライ/ヴァネッサ・レッドグレイブ /ブレンダ・ブレッシン
公式サイト
atonement2.jpg

 昨年各賞レースで話題になっていた時からずっと日本での公開を待たされた分、「期待はずれだったらどうしよう」と心配でしたが、珍しくその思いはまったく裏切られる事はなく。
時間軸を自在に操ったり、同じシーンを登場人物の視点を変えてなぞってみたりと、その高度なプロットの構成力は批評家さま達の絶賛の嵐となったように私も何度も唸りましたexclamation 

 一見古典的とも言える恋愛ドラマに見えるかもしれませんが、それだけではない”何か”も感じることが出来ます。
姉カップルも可哀相でしたが、妹も一生独身(多分)のまま悩み続けたのかと思うと、13歳かそこらの少女には余りにもあの嘘の代償は大きかったですねもうやだ〜(悲しい顔) その繊細な感情の機微をここまで映画的に見応えある面白さで完成した監督の手腕は大したものだと思います。
マカヴォイ5.jpg

 また、本作でキーラ・ナイトレイの相手役となったジェームス・マカヴォイexclamationぴかぴか(新しい) その実力は十分過ぎるくらい発揮されており、先日DVD鑑賞した『ラストキング・オブ・スコットランド』の野心家青年の役とはまったく違った誠実な男をロマンティックに熱演していましたねぇ〜すっごくいいですかわいい
英国の大御所女優二人と伸び盛りの若手トップ俳優たちを贅沢に使って期待をまったく裏切らないって凄いことじゃないですか?

 つぐない5.jpgタイプライターを打つ音が、この物語が成長した妹ブライオニー、あるいは更に歳とって大作家となった彼女の指先から発生する音なのか?とても印象的に使われていますね 最後の彼女の独白がすべての構成を理解する一番大事な”鍵”となるので、これからご覧になる方は是非ココは集中力が途絶えないように聞いて頂きたいと思います。 

<追記>
多くのブロガーさんが仰っているように、終盤近くの北フランスの海岸でのシーンは本当に見事でした! 戦争の悲しみが詰まってましたねもうやだ〜(悲しい顔) 歴史上の実際の場所とは違うらしいですが、海岸線に様々なセットを作り、ロケしたらしいです。ワンカットに見えるカメラ・ワークも素晴しかったですexclamation
****************

”女流作家の回顧録”ときたら・・
過去にこんな秀作もありましたねぇ・・


ジュリア2.jpg『ジュリア』(原題:Julia)
1977/アメリカ
監督:フレッド・ジンネマン
出演:ジェーン・フォンダ、ヴァネッサ・レッドグレイヴ、ジェイソン・ロバーズ


 時代も同じ1930年代から第二次大戦に入る頃のお話で、アメリカ演劇界の女流劇作家として知られるリリアン・ヘルマンが74年に出した回顧録を映画化したもの。偶然ですが同じヴァネッサ・レッドグレイヴが出ていますね(まだ若いです)。反ナチの地下運動家となった彼女の聡明で凛とした青い瞳がいつまでも印象に残る傑作だと思います
(今作でアカデミー助演女優賞受賞)。
julia3.jpg
 彼女の幼友達で作家リリー役のジェーン・フォンダも何故これで受賞できなかったのか不思議なほどの熱演でした。2月頃アカデミー特集でBSで放送されたようですので、ご覧になった方も多いかもですが。 こちらは女性同士の深い友情を描いてますが、後半の息詰まる列車内のシーンには一級のサスペンスにもなっており、映画的面白さも一杯のこれまた秀逸な作品でした。未見の方は是非オススメです。

 2つの作品に共通して描かれているテーマは、
私は「人を想うことの尊さ」だと思うのですよね。。
ここに観客はつい心激しく動かされ涙してしまうのだと思います。

posted by マダムS at 09:48| Comment(20) | イギリス/アイルランド映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
マダムも鑑賞されたんですね。
わたしは先月鑑賞したんです。
海辺のふたりに超うるうる。
ネタバレ感想を載せています。
Posted by MACHI at 2008年04月24日 14:10
★MACHIさん
はーい 頑張って水曜に観て参りました!
たった今 そちらにもお邪魔しましたわ♪
途中から何度もハンカチのお世話になりましたけど、海辺のふたりには号泣。。
Posted by マダムS at 2008年04月24日 16:30
イギリスを舞台にした文芸作品には秀作が多いけれど、ここまでの作品にはめぐり合ったことがありません。
うなってしまいました〜
ブライオニーのしたことはとんでもないことでしたが、でも気持ちがわからなくもないですね。
「人を想うことの尊さ」。いい言葉です!
Posted by Cartouche at 2008年04月24日 19:24
★Cartoucheさん
絶賛されていらっしゃる記事を読んで、私もなんだか嬉しく思いました。
イギリスの作品は良いものが多いですね、「プライドと偏見」もなかなか上手く出来ていましたし、J・オースティンものはすべて好きだったんですが、今回で一層その想いは強くなりそうです。
ブライオニーの気持ちはとっても良く理解出来ました。その結果があまりにも辛かったですね(TT)
Posted by マダムS at 2008年04月24日 20:37
マダム〜〜
これってすばやくレビューを書きたくなりますよね!
という私はまだ書いてませんけど・・・
自分で書くまでは他の人のを読まないことにしてるので、レビューを仕上げたらまたお邪魔します!
Posted by jester at 2008年04月24日 21:28
いやー、良い映画でしたねー・・・!
「プライドと偏見」に続き格調高い作品でありましたね。
緑の木々や草、キラキラ光る陽射しが美しかったですねぇ、
あの海岸のシーンも印象的でした、ラストね、あの終わり方はホントに見事でありました・・・!

でで、マカヴォイくんですよ〜♪
この作品でまたまたファンが増えそうですね!ウフッ
「ラストキング〜」ではちょいプレイボーイな野心家を、今回は誠実な優しい青年を演じてましたねー、ホント素敵です〜〜〜!
「ナルニア」のタムナスさんの時は気が付かなかったわ(てっきりコメディアン系の人かと。笑)
Posted by Puff at 2008年04月24日 22:09
私も絶対見る!!と決めていたけど、引っ越した住まいの近くで見ることが出来て、さらに良かったです!

>一見古典的とも言える恋愛ドラマに見えるかもしれませんが、それだけではない”何か”も感じることが出来ます。

私もまさにそう思いました。その何かを感じさせるからこそ、この映画の価値を高めたと思いました。
それにほんとタイプライターの音が効果的に使われていて、今も耳に残っている感じです!
この作品は視覚的にも音響的にもそして、心の奥深くにも入り込む、とっても印象の強い、素晴らしい作品だったと思いました。
私は「ラストキング〜〜」見たいと思いつつまだ未見だったので、このきに是非鑑賞したいです!
それに「ジュリア」も・・・。
Posted by 紫の上 at 2008年04月25日 00:03
★jesterさん
は〜い! そうなんですよ〜
私にしては めっずらしく最速レビューであります(笑)
私も自分のを書き上げるまでは よそ様の意見の影響を受けないように見ないようにしてます(^^)v
jesterさんの記事も楽しみにしておりますね〜〜♪

★Puffさん
良い映画でしたねー・・・!
「プライド〜」も凄く素敵な作品になってましたんで、期待は大きかったんですが、思ったより以上に良かったです〜 この監督なかなかですね!!
ラストも泣けちゃって・・(TT)
>マカヴォイ君
わはは〜 そうなんですよ〜私も「ナルニア」の時はお笑い系の人かと思っておりました(爆) 「ラストキング〜」とも違うので立派なカメレオン俳優ですねぇ!それだけ実力派だということでしょうー!
今後の活躍も期待したいでする♪

★紫の上さん
お近くの劇場でご覧になれて良かったですねん♪
私も近くてよかったんですが、スクリーンが小さいとこで・・(泣)
ほんと、素晴しい作品でしたねー
ワタクシ、暫く引きづりそうです。もう1回観たい。。
「ラストキング〜」はとっても見応えありです。エンドロールでアミン大統領本人のスチールなども出てきますが本当にコワイ!(笑) マカヴォイ君も頑張ってますので是非見てやって下さいね。
「ジュリア」もこれまた是非是非!傑作ですよこれも!
Posted by マダムS at 2008年04月25日 07:38
ミンゲラ監督ってどのシーンに?
ちっともわかりませんでしたよ;;

マガヴォイ君はどんどん素敵に見えてきます。い、いかん(爆)
私的には「ペネロペ」での役を演じた時の彼が好きでしたけど、ロビーの最期のシーンはかわいそすぎでした。涙
それと、、、どうもキーラの「アイラヴユー」にはイマイチ軽さが鼻についてしまったかなあ。
まあ、どちらかというと、彼らよりもブライオニーよりも違ったところで胸をかき乱されてしまった感じですた;
ジュリア・・・見てみまーす
Posted by シャーロット at 2008年04月25日 08:48
★シャーロットさん
えっとですね・・終盤に年老いたブライオニーがTVかなんかのインタビューに答えるシーンがありましたが、そのインタビュアーの役でした(涙) >ミンゲラ監督
私、たまたま何故だかどこかで出演情報得ていたので、ああ監督だわとすぐわかったんです。
マカヴォイ君はどんどん魅力が増してきますね。い、いかん。。。(爆)「ペネロペ」観そびれちゃったんですよねー DVD待ち(泣)
キーラは好きなタイプの女優さんじゃないんですけど、今回は良かったような気が・・。「Comeback! Comeback to me!」って・・「コールド・マウンテン」と同じ台詞だわなんては思いましたが(^^;)ニコールよりは若くて似合ってたんじゃないすかね(笑)
うん、シャーロットさんの感想もすんごくわかるような気がしましたよ。
「ジュリア」は是非是非ご覧下さい!傑作だと思います。
Posted by マダムS at 2008年04月25日 20:53
こんにちは、ご無沙汰してます。

「つぐない」見に行かれたんですね!
映画は見ていないのですが、原作をこのお正月に読んで大感動いたしました。
映画も素晴らしい出来なのですね。
よかったです。
マカヴォイ君、どんなロビーなのかな?
キーラはぴったりと思いましたが、マカヴォイ君もステキなのですね。
DVDになったらぜひ見たいと思っています。楽しみです。
Posted by トラー at 2008年04月27日 10:12
★トラーさん
うわぁ〜 すっごくお久しぶりですね〜お元気でしたか!?
コメント嬉しいですわ〜♪♪
観ましたよー ハマでは長者町のあの映画館だけ上映なんて!信じられないー!
それほど良い出来の作品だと思うのです。
トラーさんは原作を先に読まれたのですね?評判は聞いてますので私も是非読んでみたいと思ってます。 キーラは×って方も多いんですが、トラーさんのイメージでは合っているんですね? ロビーのマカヴォイ君は最高だと思いますよ!
DVDと言わず・・川崎だと大きいスクリーンで観れそうなのでいかがですか?(^^)b
Posted by マダムS at 2008年04月27日 12:11
観てきましたよおぉ。
日頃、ある程度ハッピーな結末の映画ばかりを観ているせいか、ラストにはへこたれましたが、良い作品でしたね。
マカヴォイ君、良かったですぅぅぅ。
キーラより6歳くらい年上なのに、妙に少年っぽい男子でありまするね。うふふ。
Posted by Ruiji at 2008年04月27日 14:48
★Ruijiさん
うぉ〜 ご覧になりましたねっ♪
役柄が変る度に別人かと思うほど顔が違ってみえるマカヴォイですが、今回は誠実を絵に描いたような男でしたから”少年”ぽく純に見えたのかもですね〜
そちらに伺いまするね うふふ。
Posted by マダムS at 2008年04月27日 23:22
マダム、観てきました、本日。
この監督さんとキーラ・ナイトレイのコンビは「プライドと偏見」で体験済みでしたが、あの映画も「他に観る作品がないので仕方なく」観たつもりが、大いに感心したものです。
今回はイアン・マキューアン原作とあって、どう来るか?と興味津津でしたが、「こう来たか!」と脱帽しました。なんせ、ロビーのお母さんがブレンダ・ブレッシン。締めはヴァネッサ・レッドグレーヴ。行きつ戻りつの語り口に「嘘」が交じって、ラストの「嘘」のシーンに泣けました。
キーラは、ヘレナ・ボナム・カーターとウィノナ・ライダーの従姉妹みたいな感じで結構好きなんですけど、少女時代のブライオニーの演技は、それ以上かも。ジェームズ・マカヴォイは、ちょぴりジェラール・フィリップっぽい感じでよかったですねぇ。
ダンケルクのシーンは、たぶん一番(無駄なくらい)お金がかかってるんじゃないか?と思いましたが、あのリアリティが映画ならではの説得力につながっているんですよね。
なんというか、観ている人の想像力をもって完結するところが、とても印象的でした。小説の映画化が上手くいくときは、そこがポイントじゃないでしょうか?「つぐない」は、とても上手くいきましたね!
Posted by けんけん125 at 2008年04月29日 21:50
★けんけん125 さん
うわ〜ご覧になったその日のうちに来て下さったとは嬉しいです♪♪♪
文面から察するとけんけんさんは先に原作をお読みになったのですね? 今作は珍しく原作先組の方の評判も上々なので、やはり監督の手腕がとても冴えていたのでしょうね〜おっしゃるように小説の映画化作品としては大成功なんじゃないでしょうか。
いつもながら、けんけんさんの語り口にも脱帽ですよ〜
>行きつ戻りつの語り口に「嘘」が交じって、ラストの「嘘」のシーンに泣けました
ほ〜んとに。。(TT)
確かにキーラは若い頃のウィノナにキャラがかぶるとは思ってましたが、なるほどヘレナの気の強そうなところとか似てますね。本当はブライオニー役を監督はオファーしたとかで、キャラ的にはそちらかなと思うのですが、今回は頑張って姉役こなしていたと思います。
ほほー マカヴォイ君=ファンファンは最高の褒め言葉かも!! (嬉)
Posted by マダムS at 2008年04月30日 10:58
おお、なつかしい! ここで『ジュリア』の文章に触れることができるとは。
私は学生時代にこの名作を二度、映画館で観ました。
おっしゃるように、列車内のシーンは印象的でしたね。ジェーン・フォンダもりりしくて美しかったです。私の中では彼女の代表作だと思っています。ついこの間観たような気がしますが、30年も経ったのかぁ(苦笑)……。
Posted by syunpo at 2008年05月02日 19:36
★syunpo さん
コンバンワ!書き込み下さって嬉しいです♪
お元気でしたか?
『ジュリア』を劇場でご覧になっていらっしゃいましたか! しかも2度も?
やはり名作ですよねぇ!!
私も今回久しぶりに再見して改めて思いました。 
あの最初と最後のモノローグがかぶる湖のシーンの美しさったらないですよね!!
ジェーン・フォンダも本当に美しいし、可愛いと今回初めて思いました(笑)
30年は長いようで短いかも・・光陰矢のごとしですねぇ・・。
Posted by マダムS at 2008年05月02日 22:57
マダム♪お邪魔します〜
やっと連載ものを終わらせて(爆)遊びにきました。

>医師マカヴォイは、その後、その一生をかけての「贖罪」は出来たのだろうか・

わははは! 確かに!笑いました〜〜

>誠実な男をロマンティックに熱演していましたねぇ〜すっごくいいです

いままでで一番「誠実な男」役だったかも。
本人は前半のキャラは完璧すぎて苦労したみたいなこといってましたけど。
「ペネロピ」の時のマカヴォイさんの方がjesterは好きですけど、こちらもとてもいい男ぶりを見せてくれて嬉しかったです♪
Posted by jester at 2008年05月03日 08:59
★jesterさん
おお〜!連載終わりましたか?
では早速お邪魔させて頂きますね♪
むふふ。。ワタクシの寒い冗談を笑ってくださって有難うございます!恐縮です(笑)
確かにすごく出来た人間を演じるのって結構難しいのかもしれませんよね でもマカヴォイ君ならなんでも出来そう。
「ペネロピ」!早くDVDにならないかな〜
Posted by マダムS at 2008年05月03日 22:32
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